昨夜NHK「クローズアップ現代」でフリーランスを取り上げていました。

自由な働き方…これって以前見た内容だと思いました。20年前、郵便局を途中退職して派遣社員になり自分で時間を自由に使いこなす新しい働き方。

2000年初頭国民から熱狂的な支持で迎えられた小泉内閣。

様々な規制改革。

金融、大規模小売店、派遣社員…学校でも教科書の規制のない総合的な学習の時間が設けられ高校の学区制が緩められました。地域独自の教科も可能です。

台頭する中共、金融市場を狙うアメリカ、家電製品以外に新産業の起こらない日本経済。

規制改革のなかで、『豊かさ』が増えたのではなく、若者から奪われた『富』です。

非正規社員の増加。

先の見えない人生。

鬱屈した青年の増加。

改革は成果と陰を伴います。

後に人々は『新自由主義』に気づきます。

アートは時代を映します。

作品は作者の置かれた社会的立場と、心の内を代弁します。

「作品鑑賞は説明をするな。」

「見る人の自由な発想こそが大事だ。」

という美術教育家。

しかし、作品は作者の悲痛な叫びであり、社会を動かす力があります。

石田徹也「飛べなくなった人」

石田徹也は思想家でも経済人でもありません。晩年は作品から暗示を排除しようとさえしました。しかし、彼が不慮の死を遂げた2005年、まさに新自由主義・規制改革の嵐の中、若者が置かれた状況を振り返る時、彼の押しつぶされる自我のうめきが理解できます。