教育が人をつくり、人が時代をつくります。

その教育は『学習指導要領』に基づきます。

学習指導要領が大きく転換されたのが、平成10年、1998年告示の改訂版です。1980年に提言されたゆとり教育からの脱却です。

規制緩和の流れが教育界にもおよび、教科書にとらわれない『総合的な学習の時間』が設けられ、一方で『確かな学力』に基づき『基礎・基本』も求められました。美術においてもそれまでの『造形遊び』から道具や素材の使い方、描く力・ものを見る目が加えられます。

県内のある地方都市で行われた「県美術教育研究大会」は、描写を認めない『造形遊び』を美術教育の土台に据える人々が『基礎・基本』導入に反対します。一方で鉛筆も削れない、はさみが使えない、ものを見て描く力もなく、小学校で人物画や風景画さえ描くことがない現状を変えようとする人々とのバトルが繰り広げられました。準備段階で資料をどうつくるか…クロッキーは『基礎・基本』ではない!と造形遊び派は反論します。「造形遊び」は無限の可能性があると主張します。結局『描く力』が前面にだされ、『基礎・基本』となりました。スケッチが明記されます。それまでの『抽象でなければ絵画じゃない』から大きく転換された瞬間です。

移行期間を経て平成14年2002年から完全実施されます。

今日もてはやされる写実ブームの下地です。

音楽では太鼓や笛などの和楽器が、体育ではダンスが取り入れられます。

つづいて「君が代」は平成11年、1999年に正式に日本の国歌となります

『学習指導要領』が時代のトレンドをつくります。

いろんな意味で…