教員が担当したくない分担はいくつかありますが、進路指導もその一つです。

高校入試にかかわる仕事はミスが許されません。県教委から届く文書は分厚く、お役所言葉が詰まっています。提出期限、提出場所、書式、送り仮名、以上・以下、「する・検討する・検討を始める」『など』と『等』の違い…あげたらキリがありません。

名前も『ワタナベ』さんや『サイトウ』さんは無数にあります。仮に手続きミスが発生しようものなら、ニュースでおなじみの謝罪会見です。

処分されると基本給が下がり、ボーナスも下がり、それに準じて退職金・年金も下がります。

こういう仕事が割り振られるのが、私です。

進路指導主事は20年以上、全県副部長も務めました。部長が校長なのでまぁ事務次官みたいなものです。文書・計画作成の実働部隊です。

これも1年目は五里霧中で、コンピュータなど普及しない頃で、仕事もデータ化されておらず、マニュアル化を進めました。

合わせて進路学習をアレンジして総合的な学習に組み込みました。これらを普及させるために研究会のアドバイスもします。

「事務処理の決まりごとが多い」ことは面倒ですが、逆に言えば「決まりごとに従っていればミスはない」ということです。ミスがなければ一切責任はありません。

想定外も想定して完璧にすればいいのです。

ある意味楽です。

卒業式の翌日は高校入試日です。

在校生は準備に励みます。