『公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)』第3条第2項という法律があります。『時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。』

これにより教員に残業代は支払われません。

その代わり『教職調整額』と呼ばれるものを、給与の4%分上乗せして支給されていますが、時給に換算するととんでもない数字です。

私の場合、勤務は7時半から退勤は夜7時。土曜も出勤です。

残業は勤務終了時間後から退勤までと思われがちですが、勤務開始前や休日出勤もあります。時間外勤務時間は毎月120時間を超えます。

過労死ラインは月80時間と言われますが80時間くらいで人が死ぬのか不思議に思ったくらいです。

『教員調整額』を時間外勤務時間に換算すると勤続30年名目賃金40万の場合16000円これを120時間で割ると133円です。

中卒で勤務した頃よりもはるかに少ない時給です。

名目賃金40万でもほぼ半分は年金・保険・税金・国保・給食費・PTA会費・税金・組合費で引かれます。月手取り賃金を実質月勤務時間320時間で割ると620円です。

教員なりたての頃は給料もベテランの半分です。

それでも私は不満を感じませんでした。

中卒の頃は日給月給制で1日2500円。同僚のおばちゃんが「私の勤め始めは1日500円だったよ。」の記憶があるからでした。

しかし、基本残業も休日出勤もありませんでした。

精神主義健在な昭和。

生徒たちも元気です。

※教員の賃金を上げたのは田中角栄内閣でした。1974年に『教員人材確保法』を制定し、教員の給与が基本給で12%、諸手当を含め約25%引き上げました。小卒の彼がした先生への恩返しでした。