工場に勤めていた時教えられたのが「修理の基本は雑巾だ」でした。
雑巾できれいにすることで不具合が発見でき、きれいにするだけで治ることもあります。
「通路や避難口に物を置かない」「縦の物は縦に横の物は横に」器具工具・人の安全管理は徹底して教えられます。
学校は雑然とし、生徒は掃除をしないものと言われ続けていました。だらしないのは意外と教師です。机の上はものだらけで、作業スペースさえありません。
私は清掃担当を申し出ました。まず用具を購入し清掃用具入れを整備します。場所に合わせて用具を取りそろえます。便利で面白いグッヅがいろいろあるものです。きれいにしたくても手立てがないだけの場合もあります。
出入りの業者は定価販売で割高です。地元の商店に出向いて安くて丈夫な用具や洗剤を一度に購入し、値引きしてもらいます。壊れた用具は修理すれば結構な数が使えます。雑然と放置される用具も吊るすひもがなかったり、掛けるフックがないのが原因だったりします。清掃個所も意外と空白地帯があります。清掃個所の場所と人の再編成です。
教師は掃く人、拭く人、運ぶ人など事細かに担当を分けたがりますが、私はそれをしません。「自分で仕事をみつける」ルールはそれだけです。今必要な仕事を状況に合わせて見つける、自分の仕事が終わったら他を手伝う。子どもは自主的に共同できるものです。ごみを捨てに行ったら反省会で必ず褒めます。
清掃後は用具をきちんともとに戻します。片付けは次の活動の準備です。
2年目、ジブリの音楽とともに生徒が楽しそうに清掃する学校に変わりました。
環境が整うと生徒も落ち着いてきます。
生徒は場に応じて反応しているだけかもしれません。