バイデン大統領が、他国の政治体制に干渉しないと弁明に追われたのは記憶に新しいことです。
が、アメリカはしばしば他国に政治介入してきました。
戦後日本はアメリカ嫌いでした。支持を集めたのは社会党です。アメリカは危惧します。保守と資本主義を合同させました。自由民主党の誕生です。
一方、強大化する社会党議員にお金をばらまき分裂させます。社会民主党の誕生です。自民に賛同する社会主義政党で、当時「いっこうさん」とは同委員長の春日一幸さんでした。
しかし、自民でありながらアメリカ嫌い中国寄りの政治家がいました。田中角栄です。後援会の越山会は雪深い過疎地に強力な地盤を確立します。莫大な税金を費やして新幹線と高速道路をつくります。起点は東京目白の自宅であり終点は日本海に面した角栄の実家です。人工的な20万都市の建設をもくろみます。県庁を地元長岡に移そうともします。
日本海を埋め立てて佐渡を陸続きにし、越後山脈をダイナマイトで吹き飛ばして雪雲を関東に流そうと訴えます。不動の20万票です。
彼はアメリカの危惧をよそに独自に対中・対東南アジアに資源外交・市場拡大を図ります。やがて、アメリカロッキード社から飛行機購入の賄賂5億円を受け取ったとして、アメリカの公聴会で暴露され、日本でも金脈問題としてバッシングが始まり、総理を辞任しました。地元民はアメリカにはめられたと言います。
後に、当時の国務長官キッシンジャーは「偶然だ。」と言います。
いつか情報公開された時、どんな事実が知らされるのでしょうか。
今も片田舎の新幹線駅前に、田中角栄像が手を振っています。
幻の20万都市をみつめながら。