受験勉強と『学び』とは異なるものです。
予備校の効果は化学肥料であり
電子レンジによる過熱に似ています。
時実利彦氏の大脳生理学も
林竹二先生の『問答法』も
真意は別です。
美大入学時は余熱で描いていた学生が次第に描かなくなります。
石膏デッサンが次第に拙くなります。
石膏デッサンと制作は別物でした。
それは、日本画実習、彫刻実習、フレスコ実習など、
他分野になるとさらに顕著に表れます。
汎用性が見られません。
私の通った予備校に「自由制作期間」がありました。
『美大に入ると急に絵が描けなくなる人が多い』
そのために『何を描きたいのか』を育てるためでした。
美大入学という目標が最終の学生もいます。
有り余る自由に時間が解放されたまま卒業してしまう人もいます。
『絵は技術じゃないな』
絵はつまるところその人のセンスです。
美大にいてもせいぜい4年。院でも2~4年。
その期間ずっと描くわけでもない。
美大に行かないでも10年、20年それ以上制作し続けた人にはかなわない。
『学び』は即効性で育たちません。
大学でのわずかな時間は貴重です。
たびたび訪れた能登半島。
描いたのはコースターのコルク。