デザイン学科の就職率は完璧です。

在学中から仕事依頼が来ます。

工芸学科は多くの国宝級の教授が指導に当たり、

卒業後は地域各地の研究所や工房に勤めます。

が、

私のいる洋画の進路先はほぼ空欄でした。

後にアニメ「時をかける少女」の監督をした人がいました。

たまに校舎で姿をみました。

人物画が苦手らしく、卒業制作は線描で、羽を広げた鳥でした。

課題は人物画です。

ジブリ面接で宮崎駿が彼の持参した人物デッサンを見て

「君のようにうまい人はうちではとらないんだよ。」

と言ったのは嘘だと思いました。

鴨居玲は初期の卒業生です。

課題は描かず、日本画教室に入り浸っていました。

膠を溶かすためにお湯が常に沸いていたので、熱燗を楽しむためでした。

洋画を出て大学院に進み教授になった同期より

現在有名なのは『落ちこぼれ組』でした。

金美大は彼らの業績をネタに大学の宣伝をします。

彼らは金美大で育ったのは確かです。

しかし、金美大が彼らを育てたのではありません。

レールから外れ、呆れられても自分がやりたいことに

馬鹿正直に打ち込んだ人たちです。

油画専攻。

寄せ集め集団から未来がうまれてきます。

卒業生の置き土産、校舎のペイント

※マネしないでください。