法政大学の試験会場は、
私鉄沿線のネギ畑の点在する住宅地でした。
英語・数学は難なく終わります。
社会は得意の倫理社会です。
設問は意外に少なく。
小問をいくつか解いた後、
『一票の格差についてその問題点を論じなさい。』
答案用紙のほとんどがこの記入欄でした。
以前、山形の庄内地方と最上地方の選挙区が一つになる、ということで
最上地方の声が政治に反映されなくなると、
反対意見が起こりました。
人口減少によって選挙区が統合され、
議員定数減少のしわ寄せが起こります。
過疎地の声が届かなくなる危機感を訴えていたのが、
会社の社長さんでした。
私は、
地方の声を国政に反映するための
議員定数割り振りが必要だと解答しました。
一票の格差を是正することよりも。
結果は、不合格。
現在も地方の声を守れと言いつつも、
変則的な選挙区区割りが行われています。
『一票の格差は違憲』の裁判所判定のもとに。
地方はますます国政から取り残されています。
私は自分の解答が間違っているとは思いません。
私は奇妙な不安から解放されました。
地方から人が去り、
人と自然とが織りなす景観も失われていきました。