北上弥太郎(きたがみやたろう、1932~1987)七代目嵐吉三郎の長男として生まれる。40年大阪歌舞伎座において四代目嵐鯉昇と名乗り、初舞台を踏む。
52年松竹京都に入社。同年「出世鳶」で主役デビュー、山田五十鈴と共演。鼻が高くモダンな容貌で松竹時代劇の若手ホープとして売り出されるが、瑳峨美智子との恋愛問題や同世代の競争相手がいなかったこと。さらに自身が喉を痛めてしまい、松竹時代劇の衰退もあって(65年松竹京都閉鎖)63年退社。
「妙法院勘八」(55)
その後はテレビ時代劇に活躍の場を求め、大半は悪役としての出演だったと思う(「特別機動捜査隊」第744話ではひとり娘を誘拐される代議士役)
84年八代目嵐吉三郎を襲名。歌舞伎界に復帰するも、87年肺炎による気管不全のため死去。まだ55歳だった。
時代劇俳優として周囲から嘱目(しょくもく)されるも、松竹時代劇の衰退期に俳優として充実期を迎えてしまったのは、余りにも不運としか言いようがない。後年時代劇で悪役を多く演じた心境は如何に・・・
左は成瀬昌彦、
悪徳商人役は吉田義夫、
「水戸黄門」において長らく徳川綱吉役で出演した長谷川哲夫と、
「江戸の鷹」など時代劇によく出演していた美人女優奈良富士子に襲いかかる
真ん中は外山高士、