友人I氏の好きな役者②安部徹 | 松平蘭之助令和日記

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かつての二枚目俳優であり、日活、東宝、東映において軍人役から悪親分役の名演技が光った安部徹(1917~1993)は農林省水産講習所(現東京海洋大学)に学ぶもサラリーマンになるのを好まず、中退して映画俳優を志す。

日活アクションの悪いボス役、東映やくざ映画の悪親分役は、安部氏の端正な風貌と潮風で鍛えられた体格が凄みとなって生かされ、人々の記憶に残る名悪役のひとりである。

作家の亀井宏は安部氏が日活映画に出演していた頃、東京は金杉橋の路上で偶然道を尋ねられた。
その時の安部氏の印象を「物腰のやわらかな、なかなかに端正な風貌をした紳士であった」と伝えている。

「嵐を呼ぶ男」(日活58)
後年東映にて悪親分を演じた金子信雄と、二大悪親分の共演。

「連合艦隊司令長官山本五十六」(東宝68)では、第1航空艦隊参謀長草鹿龍之介役。



山本五十六(三船敏郎)に呼び止められ、








南雲忠一(藤田進)と、





「連合艦隊」(東宝81)第2艦隊司令長官栗田健男役。


小柳富次(近藤宏)と、


宇垣纏(高橋幸治)と、


「日本の首領(ドン)完結篇」(東映78)では、どこか胡散臭い帝国興業社長役を好演。
左から高橋悦史、片岡千恵蔵。



ここでもミフネと共演。




安部氏は海外の映画作品にも出演している。
「トラ・トラ・トラ!」(70)では、大西瀧治郎に扮する。

「将軍SHOGUN」(80)にも出演。








またミフネと共演。





東映時代劇「大殺陣」(64)では、山鹿素行役。






テレビ時代劇にも悪役で数多く出演。「桃太郎侍」から、







左は永野達雄、右は杉江廣太郎。