videotapemusicという方が無人島に持っていきたい10枚の中でクレイジーケンバンドの777を上げており、なんだか嬉しくなったので777の思い出を書いてみたい。
というのも数あるクレイジーケンバンドのアルバムの中でも一番印象深いのがこのアルバムだからだ。
このアルバムが発売された当時、私は予備校生だった。しかも初めて実家から離れて東京で予備校の寮生活をしていた。
ほぼ勉強はせず、池袋やその沿線の街をぶらぶらして毎日を送っていた。若干の罪悪感と焦りを感じつつ、友達もほぼいないので孤独だった。
夏頃だったか、このアルバムが出て、何故だか父親にその話をした。実家にいた当時、居間のテレビでクレイジーケンバンドのビデオ映像をよく見ていて、父もなかなかイイネみたいな事を言っていたからかもしれない。したら、孤独な浪人生活を慮ってか父はわざわざこのアルバムを買って送ってくれたのだった。
寮の部屋では音を出して聴けないので、ポータブルCDプレーヤーのイヤホンからこのアルバムを聴いた。一曲目の7時77分のゴージャスなイントロ。しかし、この曲には何かが足りない気がする。だがその足りなさが切ない。映像が浮かぶ。広い庭の芝生。デッキチェアーの上で体を横たえる男。日差しが不快ギリギリの感じでまとわりつく。テンションは低い。
授業をサボり予備校の寮のベッドに横たわる自分とダブる。そんな少し苦い思い出。
あと、予備校時代の夏のある日、耐えられなくなり朝の電車を池袋で降りずに湘南方向へ。逗子とか行った。思えばあの時初めて湘南に行ったんだな。クレイジーケンバンドの世界を確認しに。暑くてズボンの中が汗でダラダラになった事を覚えている。でも夕方帰る時に、来てよかったと思ったのも。真面目に予備校で授業を受けるより、サボって知らない町に行ったことの方が10数年後に良い思い出になっているのだからあの日の行動は正解だったんだろう。
777は名盤というには微妙である。イタリアンガーデンやGALAXY、ショック療法の方がアルバムとしての完成度は高いと思う。だが、個人的には2003年の予備校時代の記憶と結びついて忘れられない一枚となっている。