ヒトラー演説 | 龍の毎週つまみ読み 書評

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一週一冊。ジャンルで多いのは、ビジネス、文芸、歴史、教養、社会、時々ミステリー。

読んだことのない本でも、"つまみ読み"した感じになります。

フレーズどんどん使ってください。

先週後半はシンガポール出張。

行きも帰りも夜移動だったので、疲労がピークに。


今日は一日休息。


今日の一冊。


ヒトラー演説 - 熱狂の真実 (中公新書)/中央公論新社
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ヒトラーの演説といえば、あの独特の間合いとジェスチャー。


大衆をいかに熱狂させたかを、ドイツ語史の専門家が演説データ150万語の解析を基に歴史の流れとともに解説していきます。


ヒトラー演説の特徴は、ナチスが政権を取る前と取った後で、その使われている言葉が明らかに違うのがデータで証明されています。


ただ、演説のやり方は初期から完成度が高く、その才能については疑いようもありません。


以下、気になったところ。


「例えば「仮定法」の多さがある。・・・(中略)・・・また、特に目立つのは「AではなくB」と対比する構文が頻繁に登場することである。」

言語的な特徴から、解析をしていますが、仮定法や対比法は複雑な事象をわかりやすく説明するには適しているということ。しかも、これら手法を使うと、演説の内容が強い印象をもって聞いている人たちの脳裏に残るという効果もあります。


「このように徐々に数量や程度を増やしていくレトリックの手法を「漸層法」と言う。」

1年後には○○、10年後には○○○という言い回しは、ともすれば大げさで現実離れした話でも一定の説得力を備えることになります。


これらヒトラーの演説は緻密に計算されていることがわかります。現に、ヒトラーは演説の流れを前もって

原稿に箇条書きして推敲を重ねていたといいます。


敗戦の色が濃くなってきた頃の演説は、いくらそのような技巧を駆使しても、現実を覆すことばできず、国民の信頼を取り戻すこともできませんでした。


本書は、演説を効果的に行うにはどうすればよいか、プロパガンダはどのように作られるかを理解するうえでは最適といえるでしょう。


龍.

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