山下賢二「君はそれを認めたくないんだろう」 | やっぱJ-POPが好き 自己満日記

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ちょっと突き放すようなタイトルに惹かれて手に取った「君はそれを認めたくないんだろう」は、京都で本・音楽・雑貨などを扱うちょっとオツなお店、ホホホ座を営む山下賢二さんのエッセイ、書評、詩、写真を収録した一冊だった。

 

ちょっとひねくれているけれど、好きなことを仕事にし、ひょうひょうと日々を生きている。本書を読みながら、そんな印象を山下さんに抱いた。ただ、山下さんも悩むことはもちろんある。「信じるしかないもの」とタイトルのついた一編では悩みをいかに解消してきたのかが綴られ、興味深かった。

 

その解消方法は、気を紛らわせるべく、本や映画や音楽に身を委ねることだという。コツは、愛着のある作品のなかで最近少しご無沙汰気味のものを選ぶこと。そうすることで、最初に体験したときの気持ちに戻れる場合もあれば、今の心理状態で体験することで新しい発見を得ることもあるようだ。そうして作品に身を委ね、ひたすら時が過ぎるのを待ち続ける。徐々に状況が悪化していくこともあるが、さらにその先の沈静化までひたすら待ち続ける。

 

こうして悩みをなんとなくやり過ごせるようになった山下さんは、自身のことをこう綴る。「すべては時が解決してくれると思っているところがある」。