台風10号が日本列島に近づいております。猛烈台風だそうです。被害のないようにしっかり準備をして備えましょう。

 朝顔も最近は春から秋にかけて長い間咲く蛍光塗料のような外国産ばかりですが、今年は近所のホームセンターで日本産と表示された朝顔があったので買ってきました。その朝顔もそろそろ終わりに近づいています。種が沢山取れましたので来年を楽しみにしています。

 

 竹垣に絡んで咲く朝顔の花を意匠とした夏にふさわしい鍋島の小皿です。器面に適度な間を置いて涼しささえも感じさせてくれる構図です。朝顔は江戸時代から武士や商人の間で栽培が盛んでした。

 この作品の特徴は、2枚目3枚目の写真でも分かりますように、裏側面には何も文様が描かれていません。高台櫛目は短め(短い櫛目は初期鍋島の作品に多いです)で、薄い縁取りをした後、中を濃み(ダミ)で塗り埋めています。ダミは罫線からはみ出ることなく非常に丁寧に描かれています。 

 後期の鍋島は分類上、元文期頃(1736~40年)から始まっているようですが、本作品は盛期から後期への移行期あるいは後期でも初期の享保・宝暦期頃(1730~50年代)の作品であると考えられます。

 九州陶磁文化館の元館長大橋康二先生は、この時期を中期(享保17年~安永前期)と定義付けております。

  口径11.7㎝×高3.4㎝×高台経6.4㎝