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 後期鍋島の菊絵大角皿で、安政3年(1774)の将軍(10代家治)お好み(献上)12品のうちの1点です。将軍お好み12品については、これまで3点(№12,№18,№29)を紹介していますのでそちらも御覧下さい。

 鍋島№29 後期藍鍋島山水絵皿が中角皿としているのに対し、器形は同じでも、こちらは大角皿となっております。この名称は鍋島藩の古文書に残る名称をそのまま使用しており、約1㎝ほどの違いで大皿と中皿に呼び名を違えています。5寸(約15㎝)を境に区分しているようです。

 辺径15.3㎝×高3.5㎝×高台径9.7㎝

 

 但し、このお皿は将軍献上用としてかなり長期間に亘って製作されていて、年代が下がるにつれて器形も少しづつ小さくなっているうえ、裏側面のカニ牡丹文の葉数も30枚から26枚に簡素化され、造形も端正さが次第に失われてきています。

 本作品の製作年代は、裏面の葉数が30枚であり、また高台櫛目文も丁寧に描かれていることなどから、安政3年(1774)に極めて近い作品であろうと判断しています。

 

※ 安永3年(1744)の将軍お好み献上12品については、「鍋島(後期の作風を観る)Ⅰ~Ⅲ」小木一良著 創樹社美術出版発行を読んでいただければ詳しく解説されています。