先週土曜日にブログをあげた後、流行りの感染性胃腸炎に罹り下痢が続きました。今は良いのですが、胃の中のものを全部排出してしまったため貧血気味となって身体が少しだるい感じです。

 

 総真鍮の棒身や鈎に銀流し(銀鍍金)が施されていること、長さ約17センチという大きな房が付けられていることなどから、幕府の郡代や代官、あるいは親藩の郡奉行等上級役人が権威の象徴及び身分の誇示として刀の横に差して携行した十手ではないかと推測しています。

 総真鍮造りの十手は関八州に多いといわれますが、いざ探すとなるとなかなか困難が伴う稀少品です。静岡市内の行き付けの古美術商で購入しましたが、「都内の業者から入手した」とのことですので関東地方の十手だと思います。

 十手・捕縄事典(名和弓雄著 雄山閣)によれば房紐の巻き方には4種類ほどあるそうですが、朱房の紐が当時(江戸時代)のまま固く巻かれた真鍮製の十手です。 

 長さ47.5センチ×重さ530g

 真鍮製丸形先細銀流し棒身 大振り真鍮鈎 丸握柄

 楕円形真鍮紐付け鐶 時代大型朱房紐付き

 

 上記写真2枚目が銀鍍金の痕です。房紐の下に銀鍍金が剥げずにはっきりと確認できます。房紐の裏側には朱色が残っています。3枚目の棒身にも薄いですが銀鍍金の痕が見られます。また、刀傷も数か所残っています。

 

※ 郡代は江戸時代中期以降、関東、美濃、西国筋、飛騨の4郡代が置かれていました。また、代官は時代によって変遷がありますが全国に40程の代官所が置かれていました。いずれも幕府の直轄領400万余石を支配して年貢の徴収が主な仕事でした。郡代(役高400俵)は10万石以上、代官(役高150俵)は5万石~10万石以下の天領を支配しました。

 静岡県内には、江戸初期の幕府代官所としては川尻代官所(吉田町)、島田代官所(島田市)、三島代官所(三島市)、新貝、川井代官所(磐田市)などがありましたが、廃止されたり近郷の代官所に併合され、韮山代官所(伊豆の国市)、駿府紺屋町代官所(静岡市)、中泉代官所(磐田市)が幕末まで存立した。