新年明けましておめでとうございます。年末年始は暖かで穏やかな天候と思っておりましたら、この3が日いろいろありました。元旦、能登半島で震度7という大きな地震、静岡市の我が家でもかなり長い大きな揺れがありました。また、翌2日には羽田空港での航空機同士の衝突炎上、3日には北九州市での店舗火災(約35店舗消失)と年初から大変な事案が勃発、今年はどうなることやら心配です。亡くなられた方々のご冥福と被災された皆様の早期立ち直りを願っております。

  

 今回は正月と言うことで、皆様に幸運が訪れるようにおめでたい七福神の一人布袋さんが描かれたお皿を紹介します。

 鍋島写しの平戸燒布袋文七寸皿です。口縁に薄瑠璃をひき墨弾きの渦巻き文を廻らせています。見込みには右手に団扇を持った布袋さんと大きな袋を描いています。染付濃み(ダミ)の濃淡がすばらしいです。但し、裏文様は鍋島の尺皿に見られる花唐草文が線描きで描かれていますが、櫛目文が描かれた高台は低いです。

 何ともいえない布袋さんのお温和で愛嬌のある顔が魅力的ですが、大きく膨らんだ袋の中には皆さんへの冨貴繁栄の1年分のお宝が入っていると確信しています。

 口径211㎝×高48㎝×高台径115㎝

 

 平戸藩(松浦家 6万3千石)は、通称焼物戦争といわれた文禄・慶長の役で他藩と同様朝鮮から多くの陶工を連れ帰りました。その中に巨関(今村家祖)という陶工がおり、初め平戸市中山に窯(中野窯)を開き、その後、藩領の南端、佐賀藩の有田、大村藩の波佐見と接する三川内(現佐世保市三川内町)に窯を開いて佐賀藩と同様磁器を焼き始めました。これが平戸焼あるいは三川内焼といわれる焼物であり、伊万里焼と比べると地肌が白く、唐子絵や龍などの細工物を得意としました