台風13号は静岡県沖で熱帯低気圧に変わり、県内の被害は少なくてすみましたが、茨城や福島県では大雨の影響で浸水や崖崩れ等の被害がありました。以前は災害が起きると「100年に一度の大災害」などと言われましたが、近年は温暖化等の影響で、この100年に1度といわれるような大災害(地震も含め)が年に何回も起きています。河川の堤防や危険箇所等も大災害を想定した抜本的な諸対策・諸措置が必要です。

 

 後期藍鍋島で柳の木を写実的に描いた七寸皿は3点ほどが確認されています。

 写真の柳樹は下部に流水が配置されていますが、ほぼ同じ柳の構図で下部に太鼓石が描かれたものがあります。もう一点は川沿いに二本の柳が描かれたものです。3種類を確認したい人は、鍋島Ⅰ~Ⅲ(創樹社美術出版 小河一良著)を見て頂きたいと思います。

 この皿は、20数年前に赴任先の御殿場市内の骨董店で購入したものですが、その時の店主のお婆さんとの会話など思い出深い皿です。

 

  口径20.7㎝×高5.5㎝×高台径11.5㎝

  

 本作品は前述の太鼓石柳文皿と比較すると絵付けや裏面の3か所の七宝繋ぎ文、高台櫛目文などから判断して時代的に若いと推測され、19世紀中頃(天保~寛永期頃)の作品と推考しております。

 

※ 染付の原料を呉須といいます。素地の上にコバルト顔料(呉須)で絵を描き、その上に透明釉を掛けて焼かれたものを染付といいます。有田でははじめ中国産の天然呉須を使用していましたが、後に発色の良い回青(スマルト)と呼ばれる呉須がオランダ船によって舶来しました。そして、幕末にはヨーロッパから人造呉須(コバルト)が輸入されて使用されるようになりました。人造呉須は「ベロ藍」と呼ばれています。ベレ藍は浮世絵師の歌川広重も使用し、浮世絵では「広重ブルー」と言われます。