先日の台風7号が海の水をかき混ぜたことから静岡の気温は若干下がりましたが、それでも高温には変わりがありません。台風の影響がなかった東北や北海道は海水温が高く、そのため例年にない猛暑が続いています。新学期が始まった北海道では教室に冷房装置がないため、暑さ対策として小学生を早めに下校させる措置が取られているとのことです。台風10号が発生し、28日には東北・北海道近海を通過するとの予想です。これで少しは気温が下がってくれると良いのですが・・・・・。

 

   今回は、書籍「鍋島 後期の作風を観る」の著者小木一良先生に無理をお願いして譲っていただいた型打ち成形の青磁罅釉(ヒビユウ)方形皿を紹介します。10枚組のうちの1枚を頂きました。

 本作品は、四隅の罅の目が大きいですが、小木先生によれば、これは10枚全てに共通しており、焼成時に偶然できたものではなく、計画的にしかも上手の作品を意識して製作されたものであるとのことです。

 「鍋島展望 作風の変遷を楽しむ」(田辺一正著 令和2年 創樹者美術出版)38頁に類似品が掲載されております。

 制作年代は、元禄を下限とする17世紀後期の盛期作品とみられています。

 

 

  辺径14.0㎝×高3.5㎝

 

 伊万里市大河内の日峰社下窯跡(鍋島藩窯の初期の窯跡)からの出土陶片の中に青磁罅釉の小陶片が確認されていますが、鍋島青磁罅釉については、これまでは関連書籍等がなく、平成30年暮に小木先生が「鍋島 罅釉作品」を発刊するまでそれ程注目されておりませんでした。書籍発刊以降、じわじわと人気が出始めて来ています。