単に先太十手とするには首を傾げざるをえないほど棒先の太い、それこそ「鬼の金棒」を思わせる形をした十手です。

 どこの地方でどのような人が所持していたのでしょうか?。重さも通常の目明十手の倍以上あります。この十手で肩や腕を打たれたらさぞかし大きな悲鳴を上げて七転八倒したのではないでしょうか。

 また、この十手を振り回せる目明しはエンゼルスの大谷翔平選手やレッドソックスの吉田正尚選手のような筋骨隆々のマッチョマンだったのでしょうか。素朴ではありますが想像を逞しくさせてくれる実に楽しい十手です。

         

         

         長さ36.4㎝ 重さ800g

         鉄八角先太金棒形棒身 鉄大型平鈎

         丸形握柄球形柄頭 丸形鉄紐付け鐶

 

 ※ 十手(ジッテ)」の名称について

   十手の古来での呼び方は、「骨斧(コップ)」「手棒」「鉄簡」「卦算」「鉄挺」「銀棒」「鉄尺」「實鉄」「實手」「術

  手」「十當」「十挺」「十丁」「賢手(サカテ)」「轉木(テンキ)」など様々な名前で呼ばれており、「十手」も古人は「ジッテ

  イ」と発音呼称していたといいます。また、各流派によって呼び名が異なります。「銀棒(ギンボウ)」は、江戸の町では十手

  及び十手持ちの役人の俗称でした。