これまでのおはなし
第1話 発端
第2話 契機
ムダな行為は嫌いじゃない。
DVDを返却するため、また、自転車で走る。
レンタルショップの前には、返却用BOXが設置しているのだが、
営業時間内はカウンターまで返却しに行かないといけない。
その返却BOXの上に1冊の本が放置されていた。
「ゼロから月収100万円!ネットの稼ぎ方入門 」
なーんか、友達のブログで見た広告のようなタイトルだな。
こんなところに置いてあるなんて、誰かが捨てたのか、
それとも置き忘れたのか。
とりあえず無視して、DVDを返却する。
今日はそんな気分でもないので
何も借りずに店を出る。
外に出ると、さっきの本はなくなっていた。
家に帰り、届いていた結婚式の招待状の返信はがきを書く。
いつものようにパソコンの電源をつけ、ブラウザを開く。
Amazon。
だれもが知っている、超有名なネットショップ。
パソコンがなくても、スマホやタブレットがあり、
ネット環境さえあればどこからでも利用できる。
本、電化製品、ゲーム、日用品から食品までなんでも購入できる。
本屋でメモをしたリストをAmazonの検索に打ち込み
レビューを見ていく。
Amazonのすごいところは、ウィッシュリストと呼ばれる機能。
自分の「お気に入り」ができるところだ。
気になった商品をお気に入りに登録すると
ウィッシュリストで見ることができる。
さらに、
自分の購入履歴やウィッシュリストから、
似たような傾向の商品をおすすめしてくるのだ。
何度、「おすすめ商品」を買った(買わされた)ことか。
すこし気になったので、返却BOXの上に置いてあった本も
Amazonで検索してみる。
・・・。
なかなかの高評価。
もしかしたら、自分が知らないだけで、
ネットで稼いでいる人は存在するのではないだろうか。
知らない世界は、自分自身で否定しやすい。
知らないからだ。
知らないものは、とりあえず否定する。
わからないものは、理由もなく否定する。
わたしだけでなく、誰しもそんな面があるだろう。
たいした理由はないけれど、ウィッシュリスト登録した。
「ゼロから月収100万円!ネットの稼ぎ方入門 」
その時、友人からLINEが入る。
あの、結婚する友人だ。
「飲みにいける日ある?」
「いつでも」と返事をするのは、予定がない暇人みたいでイヤだ。
でも、予定はない。
別にかっこつける相手でもないので
「ヒマだから、いつでも」
と返事をすると、即レス。
「じゃあ、今晩行こう」
「うっす」
シャワーを浴びるため、部屋を出た。