少し前ですが、ゲンダイに「会社の飲み会に行きたくない」人が増えている、もはや「会社の飲み会」は無意味になってしまったという記事が掲載されました。
その少し前に、プレジデントオンラインに「会社の飲み会」を避ける人は大損している…飲み会は無駄という若手が知らない"お値段以上のリターン"という記事もありました。
どちらが、現実を表しているのでしょうか。
私は後者だと思います。
中の良い友人、同僚との飲み会は心地よいでしょう。しかし、同質の情報、考え方しか入ってきません。
会社の飲み会は上司や先輩もいて楽しくない面もあるのは確かです。
しかし、自分と同じレベルではない考え方や情報を得ることができます。
偉い人の「声をかけてみるリスト」に入りやすくなるというのも、その通りと思います。
お客さんなど社外との飲み会も同様です。
お客さんが声をかけてみるリストへ入りやすくなる、と言っても良いかもしれません。
社内の付き合いとは違いますが、自分は開業してから最初の2年間は、可能な限り全ての懇親会へ参加しました。
仕事につながらなかった方も大勢いますが、懇親会に参加した時間と費用が無駄だったと思ったことはありません。
自分と同質の方とばかり付き合っても、成長はないでしょう。
“飲みニケーション”はすたれてきている――そう感じている人も多いだろう。
職場の飲み会で上司や同僚とお酒を飲みながら、仕事やプライベートの話をする飲みニケーション。酒の席で部下が将来の展望を話したり、上司にお酌してヨイショしたりと、飲みニケーションならではのお決まりもあったものだ。
近年ではハラスメント対策やコロナ禍による外出規制により、飲み会そのものを敬遠する流れも顕著だが、いまだに飲み会という空間がチームビルディングを高めるイベントとして認識している人もいる。
“飲みニケーション”はすたれてきている――そう感じている人も多いだろう。
職場の飲み会で上司や同僚とお酒を飲みながら、仕事やプライベートの話をする飲みニケーション。酒の席で部下が将来の展望を話したり、上司にお酌してヨイショしたりと、飲みニケーションならではのお決まりもあったものだ。
近年ではハラスメント対策やコロナ禍による外出規制により、飲み会そのものを敬遠する流れも顕著だが、いまだに飲み会という空間がチームビルディングを高めるイベントとして認識している人もいる。
飲み会に参加するのは時間とお金の無駄なのか。文筆家の御田寺圭さんは「SNSでは若い世代を中心に飲み会の評判が悪い。それでも『飲み会には行っておけ』と言いたい。なぜなら極めて“コスパ”が良いからだ」という――。
SNS時代の嫌われモノ「飲み会」
令和の時代にそぐわない唾棄すべき催しとして、SNSでは論をまたずに忌み嫌われているものがある。
飲み会である。
飲み会について、SNSでは若い世代を中心にしてそれを嫌がる声がいくつも聞こえてくる。
「なんでカネを払ってまで上司の説教を聞かないといけないのか」
「なんで仕事の延長のような奉仕をしないといけないのか」
「しかも自腹を切ってまで」
――など、とにかく飲み会の評判はめっぽう悪い。
なるほど一理あるように見える。仕事以外では顔を合わせたくない人と、仕事の後まで付き合ってしかも説教まで聞かされた日には、味わう疲れは倍増である。お酒が飲めない人にとっては、お酒を強要される雰囲気もいたたまれない。「日本社会そのものが働く者にとって総じてブラックである」というきびしい批判が起こる原因の一端が飲み会にあるという指摘も、まったく的外れだとは思わない。
……けれども、自分はあえて言いたい。
「飲み会には行っておけ」と。
このような言明はSNSウケが最悪であり、この記事も方々で非難を受けてしまうかもしれないが、それでも言いたいのだ。アルコールへの風当たりが強くなっていると先月の記事で書いたばかりなのに、それでも私が「飲み会には行っておけ」と推奨する理由は明快だ。飲み会は、きわめてコスパがよいからだ。
「5000円と3~4時間」で十分すぎるリターンが得られる
なぜ飲み会のコスパがよいのか。
飲み会あるいはそれに類する慰労会や社員旅行も含めた行事に参加するときに支払うコストにくらべて、参加することで手に入れられる社会人生活上のメリットが大きいからだ。
いちどの飲み会で支払うコストは高くてもせいぜい5000円と3~4時間である。それが若手社員からすればけっして安いコストではないのはわかるが、しかし5000円と3~4時間をかけるには十分すぎるリターンがある。かりに飲み会以外の場で、飲み会に費やしたのと同じ経済的・時間的コストをかけたとしても、飲み会に参加することと同等以上の便益を得るのは容易ではない。私に言わせてもらえば無理である。
飲み会は総じて費用対効果の期待値が大きく、お金と時間をかけるに値する魅力的な投資対象であるといえる。では具体的に、飲み会にお金と時間を投じることで、どのようなリターンが期待できるのか。
偉い人の「声をかけてみるリスト」に入りやすくなる
それは端的にいえば「おぼえ」のよさである。
この「おぼえ」とは少し古風な言葉かもしれないが、わかりやすくいえば評判とか信任とか重用といった言葉の総称である。飲み会に参加すれば、目上・上役の人つまり会社の偉いオジサン連中から自分の顔とか名前とか為人とかを、文字どおりの意味で「おぼえ」てもらうことができるのである。
「なんだよ、おぼえてもらえるだけかよ」と侮るべきではない。なぜなら、自分のことを「おぼえ」てくれたその偉いオジサンが新しい企画やプロジェクトを立ち上げたとき、そのメンバー編成の際にオジサンの脳内に出力される「声をかけてみるリスト」のなかに、なんとなく「おぼえ」ていたその若手社員の顔や名前がボヤ~と浮かび上がってリストインされる確率が高くなるからである。