読売新聞が、AIを発明者と認めることは否定的な企業が多いと報じています。

 

理由としては、製品や技術の実現性が検証されていない発明が増えるといった恐れがあるためで、回答した企業・団体の8割が「問題をもたらす恐れがある」と懸念を示したそうです。

 

これだけでは、今一つ意味が分かりにくいのですが、以下の例を聞けばある程度納得できると思います。

 

材料開発では何度も実験を繰り返さなくても、AIが膨大なデータから必要な特性を満たす材料の組み合わせや製造方法を予測する方法もありますが、その信頼性が高くなく、AIを活用した発明の実現性、すなわち実施可能要件が怪しいという話です。

 

確かに、生成AIのように嘘ばかり言うシステムを使って、その結果を基に製品開発や特許出願をしても、上手く行かないと思います。

AIの技術水準が「十分でない」と答えた企業などが多いとのこと。

 

AIが自律的に行った発明に対し、特許権を認めるかの是非については、実際に製品化などにつながるか検証されない発明が増えるほか、特許の出願数が過剰となり審査が遅れると回答した方が80%とのことです。

 

AI技術を冷静に見ている方が多いと言えるでしょう。

 

 特許庁の有識者委員会による調査で、人工知能(AI)を発明者と認めることの是非を聞いたところ、回答した企業・団体の8割が「問題をもたらす恐れがある」と懸念を示したことがわかった。製品や技術の実現性が検証されていない発明が増えるといった恐れがあるためで、近く調査結果を公表する。

 

 生成AIの急速な進化に伴い、AIを活用した発明の特許出願は今後増えると見込まれる。有識者委はAIに関する出願実績やAI技術のある企業、研究機関など125社・団体を対象に昨年10月からアンケートを実施。41社・団体が回答し、公表情報や聞き取りによる調査もした。

 それによると、新薬や原材料の開発、飲料レシピの提案、建築設計案といった分野でAI活用が広がっていた。アンケートでは、特許出願につながった発明などを手がけた企業・研究機関の34%が、創作過程でAIを活用していることが分かった。

 例えば、材料開発では何度も実験を繰り返さなくても、AIが膨大なデータから必要な特性を満たす材料の組み合わせや製造方法を予測することで、開発のスピードや効率性を高められる可能性がある。

 一方で、AIの技術水準が「十分でない」と答えた企業などが多く、現時点で「人間による検証が必要」との意見が目立った。

 AIが自律的に行った発明に対し、特許権を認めるかの是非については、80%が「問題をもたらす恐れがある」と回答した。実際に製品化などにつながるか検証されない発明が増えるほか、特許の出願数が過剰となり、審査が遅れるとの指摘も相次いだ。

 有識者委は現時点で、特許の審査や認定について方針変更は必要ないとした上で「AI関連技術は急速に発展する可能性があり、必要に応じて適切な保護のあり方を検討する」と結論づけた。特許庁は調査結果を踏まえ、AIを使った発明の特許を巡るリスクなどの研究を進める方針だ。