日経BP社と日本経済新聞出版の近刊です。

 

第一線の知財コンサルタントと、日経でもっともこの分野に精通している編集委員が、これから求められる知財戦略について明快に解説した内容だそうです。

 

著者はIPランドスケープを強く推していた方ですが、IPランドスケープだけでは通用しないという項目があり、少々驚きました。

「オープン&クローズ戦略」を重点的に解説しているようですが、「オープン&クローズ戦略」も10年前に話題になった戦略です。

【内容紹介】
特許で自社の知財をガードし、管理する……
これだけ知財の重要性が叫ばれる時代にあっても、日本企業は知財を「守る」だけの発想から抜け出せていない。経営層も、外部の戦略コンサルタントも知財についてはくわしくないため、知財を活かした戦略を立てることは難しい状況にある。

本書は、第一線の知財コンサルタントと、日経でもっともこの分野に精通している編集委員が、これから求められる知財戦略について明快に解説する。

いま、知財の世界で重要なのが「オープン&クローズ戦略」だ。どの知財を外部に公開して稼ぎ(攻め)、どれをに内部に秘匿するか(守り)の選別とその実行が求められている。

世界的にはアップルがこの戦略に長けているが、日本企業がこれを実行するためには多くのハードルがある。自社が持っている知財の評価、戦略との擦り合わせ、組織デザインを含めた知財ガバナンスの構築など、やらなければならない項目は多岐にわたる。

本書は、こうした実務のポイントをきちんと体系立ててわかりやすく解説するのが特徴だ。

「経営問題」としてきちんと知財と向き合うための決定版テキストだ。

【目次】
Part1 間違っている あなたの会社の「知財戦略」
・知財のルールを変えた欧米企業、日本の技術を奪ったアジア企業
・2024年現在、日本は世界に負けている
・日本はなぜ「攻めのオープンな知財戦略」を取り込めないのか
・IPランドスケープだけでは通用しない
・ビジネス・アーキテクトの不在
・特許=リスクという発想から抜け出せない

Part2 本命は「攻めのオープン知財戦略」
・攻めのオープン知財戦略とは?
・策定を実現する4つのアプローチ
・ダイキン、インテル……成功事例はここだ
・知財人材をどう育成するか

Part3 知財の地政学と日本の勝機
・新冷戦は大きなチャンス
・「やってる開示」からの脱却
・知財と経営指標を結びつける
・経済安保と知財戦略のかかわり