リンク提供行為と著作権法に関する近刊です。

 

リンク提供行為に対する著作権法の規律は、どうあるべきか、情報の送信元に着目してきた日本の法制度や裁判例を検討した上で、綿密な論証を通して“送信規制から表示規制へ”を提言しているそうです。

 

違法コンテンツの拡散を規制しつつも、情報流通の重要な基盤であるリンクの価値を損なわないための規律のあり方を探る、初の本格的な学術書とのことです。

 

「送信主体は誰か」という視点に立脚した日本の規律は、どこに問題があるのか?

リンク提供行為に対する著作権法の規律は、どうあるべきか?
本書では、情報の送信元に着目してきた日本の法制度や裁判例を検討した上で、綿密な論証を通して“送信規制から表示規制へ”を提言します。
違法コンテンツの拡散を規制しつつも、情報流通の重要な基盤であるリンクの価値を損なわないための規律のあり方を探る、初の本格的な学術書。
日々新たな論点が生まれゆく「インターネットと著作権」分野において先陣を切る著者による、渾身のデビュー作です。
手ずから収集した未公開の民事・刑事判決を含む裁判例リストも、圧巻!

【目次】
第1章 問題の所在
 第1節 インターネットとリンク
 第2節 リンク提供行為と著作権法
 第3節 本書の内容
 第4節 リンクとは

第2章 WIPO著作権条約
 第1節 公衆への伝達権
 第2節 アンブレラ・ソリューション
 第3節 合意声明による「単なる設備の提供」の除外

第3章 日本法の現状と課題
 第1節 本章の目的
 第2節 立法
 第3節 裁判例
 第4節 学説
 第5節 「送信」に着目した規律からの脱却の可能性

第4章 EU法
 第1節 公衆への伝達権(情報社会指令3条1項)
 第2節 欧州司法裁判所による判例法理の形成
 第3節 プレス出版社の権利(DSM 指令15 条)
 第4節 小括

第5章 英米法
 第1節 イギリス
 第2節 カナダ
 第3節 アメリカ

第6章 リンク提供行為の規律のあり方
 第1節 わが国の著作権法による規律内容の特徴
 第2節 リーチサイト規制の活用の可能性
 第3節 上映権や公の伝達権による表示規制の可能性
 第4節 責任拡張法理の今後
 第5節 今後の日本法が進むべき方向

【付録】 公衆送信権に関する日本の裁判例(事案の概要・判旨・コメント付き)
 ・ 電子掲示板URL投稿事件
 ・ 2ちゃんねる事件
 ・ Winny正犯事件
 ・ まねきTV事件
 ・ TVブレイク事件
 ・ ロケットニュース24事件
 ・ 苦情申告書事件
 ・ 「どーじんぐ娘。」事件
 ・ Twitterリンク投稿事件
 ・ 生長の家事件
 ・ Twitterリツイート事件
 ・ Twitter削除請求事件
 ・ ペンギンパレード写真・発信者情報開示請求第1~第5事件
 ・ CAD事件
 ・ ペンギンパレード写真・損害賠償請求事件
 ・ はるか夢の址刑事事件
 ・ たぬピク事件
 ・ 「グラップラー刃牙」事件
 ・ 結婚式写真事件
 ・ 懲戒請求書事件
 ・ 漫画村刑事事件
 ・ 漫画村・広告代理店事件
 ・ MMシステムズ事件
 ・ みんカラ事件
 ・ Japan Travel事件
 ・ モバイルレジェンド事件