1週間前ですが、日経新聞1面に、車300兆円、知財を軸に再編という記事が掲載されていました。その一部を引用します。

 

日産とルノーの資本関係見直し協議では、共有知財の取扱が問題になり、交渉に時間がかかっていると言われていました。

 

ただ、日経の記事をよく読んでみると、この知財というのは特許権などの権利だけではなく、技術そのものやノウハウも含むもののようです。知財というよりは知的資産と言ったほうが近いのかもしれません。

 

共有「知財」の問題で合意できたので、ルノーと日産は出資比率を15%ずつに変更することを合意したとされています。

なお、この件については、いくつかのサイトでも報じられています。

 

ところで、この記事によれば、電動化の特許数ではトヨタが圧倒的であるとのこと。また富の源泉は特許やソフトなどに移り、車は単なる乗り物ではなく関連サービスも含めた「モビリティー」へ転換するそうです。

 

しかし、自家用車のメリットはいつでも使えることであり、車内は自分の部屋の延長です。

郊外や地方では、カーシェアステーションへ行くのに、自転車やタクシーが必要になります。おそらく、郊外等ではカーシェアは普及せず、自家用車の所有が続くでしょう。

 

識者の未来予想は当たった試しがありません。

 

【この記事のポイント】
・日産とルノーの資本関係見直し交渉は知的財産を巡り曲折
・ルノーが対等の関係を受け入れたのは日産の特許が必要だから
・自動車再編は車メーカーにとどまらずIT企業なども巻き込む


日産自動車と仏ルノーが15%ずつを出資し資本関係を対等にすることで合意した。世界で年間300兆円に達する自動車産業の再編は知的財産に軸が移る。電気自動車(EV)シフトやソフトウエアが重視される中、車の機能は知財が左右する。自動車産業は新たな価値創造を迫られる大変革期に入った。

「ふざけている。知財は絶対に守る」。詰めの協議に入ったある日、日産幹部は憤りをあらわにした。EVの共同特許などの扱いが不利になりそうだったためだ。

合意は近いと踏んだルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は日産側の思わぬ抵抗にあぜんとしたという。知財の溝は深く交渉はたびたび暗礁に乗り上げた。

「知財は企業の生死を握る。後では取り返しがつかない」。日産の内田誠社長兼CEOはルノーとの交渉が続く中、周辺にこう繰り返した。「『ゴーン時代』の四半世紀で共同特許などの運用ルールは曖昧になっていた」(日産関係者)という反省があった。

日産株43%を持ち優位な立場にあるルノーが対等な資本関係を認めたのは、日産のEVや自動運転車などの特許技術が今後の競争に欠かせず、EV新会社への出資も引き出したかったからだ。ルノーが譲歩し合意に至った6日、内田氏は「議論を尽くした」と述べた。