弁理士に限りませんが、士業の手数料はそれなりに高いので、値切って来たり、相見積にするお客さんもいます。

社内で値引きや相見積がルール化されている場合もあり、やらざるを得ない場合もあるようですが、士業への値引き要求は基本的に勧められません。

 

特許事務所を例にとれば、お客様から頂く報酬のうち、約1/3が担当者の直接的な人件費、約1/3が事務職員人件費、家賃、備品と知財管理システムや特許データベースのようなシステム費、残りの約1/3が内部留保と経営者の取り分です。

 

家賃やシステム費はどのお客様に対しても変わりませんので、値引きすることと、担当者や経営者の人件費を切り詰めることは、ほぼ同義です。

給料は下げるが、頑張ってくれ、いい仕事をしてくれというのは虫の良い話です。そんな人間がいるでしょうか。

 

単純に料金を下げてくれでは、成果の質が下がる可能性が大です。

費用を下げたい場合には、仕様や範囲を限定し、プロセスやアウトプットを簡略化することが望ましいと言えます。

同じような仕事を何度か頼むのも方法の一つです。技術内容や業界事情に慣れてくれば短時間で仕事が終わりますので、費用を下げる余地が出てきます。

 

もっとも、お客様との会議に必要のないメンバーまで参加しており、余分なタイムチャージを請求されるようなケースでは、参加メンバーの削減を提案し、費用削減を図ったほうが良いでしょう。

 

また、IT化が遅れており、余分なコストがかかっていると思われる事務所は避けたほうが良いです。

とは言っても、今時どの士業もある程度のIT化はしていますので、極端にIT化の遅れた事務所は少数でしょう。

 

AIだDXだと言いますが、AIなどコンピュータには本質的な判断ができません。

コンピュータには感情がなく、これはすごい発明だ、この他社特許は極めて障害になりそうだ、この商標は一見すると類似しているが事情を考慮すると非類似だ、というような感性がありません。

その結果、物事の深堀ができません。

 

IT化で効率化、時短できる部分もありますが、仕事の質向上にはつながらない部分も多いと言えます。