日本学術会議による会員推薦が総理大臣に拒否され話題となっていますが、日本学術会議について、比較的中立的に解説した記事がありました。(学者ではない)医師の榎木 英介先生による解説です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20201010-00201972/

揺れる日本学術会議

 日本学術会議が、日本の学術界(アカデミア)が揺れている。

 ご存知のように、菅首相が日本学術会議から推薦された会員のうち、6名の任命を拒否したことが、大きな議論を巻き起こしている。日本学術会議について様々な意見が飛び交っている。

 様々な意見が出ることはいいことだ。ただ、気になっているのが、非常に不確かな、あるいは誤った知識で日本学術会議を語る人が多いことだ。

 そこで本稿では、日本学術会議を議論する際に知っておきたい基礎知識を解説したいと思う。

 なお、私と日本学術会議との関係についてはじめに説明しておく(利益相反開示)。

 私は今現在、日本学術会議とは直接の関係はないが、私が所属する学会が日本学術会議協力学術研究団体になっている(日本生化学会、日本病理学会など)。

 過去に日本学術学会と関わる活動をしたことがある。

 このほか、若手アカデミー(後述)に呼ばれて意見を述べたことがある。

 また数年前に「連携会員」(後述)に推薦されたことがあったが落選した。

組織形態は?

 日本学術会議は昭和24年(1949年)に「日本学術会議法」という法律で定められた国の機関である。具体的には内閣府に属する(内閣府組織図)。

 

 政府は日本学術会議に諮問をすることができ、日本学術会議はそれに対し答申する。また、日本学術会議は政府に勧告することができる。

 

 このほか、政府以外の関係機関から審議依頼を受ける回答、「科学的な事柄について、政府及び関係機関等に実現を望む意思表示をする」要望、「科学的な事柄について、その目的を遂行するために特に必要と考える事項について、意思等を発表する」声明、「科学的な事柄について、部、委員会又は分科会が実現を望む意見等を発表する」提言、「科学的な事柄について、部、委員会又は分科会が行った審議の結果を発表する」報告、「緊急な課題等について、日本学術会議会長から発する」会長談話、「G8サミット各国及び関係国のアカデミーと共同でとりまとめた、サミット参加国指導者に対する提言」である共同声明など多彩な活動を行っている。幹事会声明というのもある。

 

 

その一方で、日本学術会議と中国政府との親密な関係を指摘する記事もあります。

こちらはアカデミアである筑波大学名誉教授 遠藤 誉先生の指摘です。

 

日本学術会議が中国の「千人計画」とタイアップというのは事実ではないようです。日本の大学が軍事研究をすべきでないという主張も、理解できない訳ではありません。

しかし、日本学術会議は上手く中国政府に取り込まれていると言って良いでしょう。日本学術会議首脳と中国政府のイデオロギーが近く、「相思相愛」に近い関係にあると言えるかもしれません。

 

現在は、中国はアメリカを上回る超大国になりました。軍事力も日本の数倍以上です。

戦後と違って、日本の大学が防衛技術研究を行う必要性も増しています。

 

少なくとも日本学術会議が国の組織であり、その会員が特別職公務員として活動する以上、特定の政治色はなくし、中立な運営をすべきでしょう。

どうしても人事を自分たちで決めたいというのであれば、国から一切の補助・監督を受けない、日本弁護士連合会のような自治組織になるしかありません。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94660_1.php

日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否が問題となっている。本稿ではその可否よりも、日本学術会議が覚書を結んでいる中国科学技術協会の正体を明確にし、習近平の狙いが潜んでいることに関して注意を喚起したい。

 

――両機関は、本覚書の範囲内で推薦された研究者を、通常の慣行に従って受入れ、研究プログラムの調整や、現地サポートの対応を行う。

すなわち「日本学術会議と中国科学技術協会」は「必要に応じて推薦された研究者を受け入れる」ことが可能なように作られている。 

そして2013年3月15日の提携書で、中国工程院もまた、中国科学技術協会と「科学技術サービス・人材育成などの面で提携を深化する」と謳っているのだ。

 

 

自民党の某国会議員の発言(ツイッター)に、日本学術会議は中国の「千人計画」とタイアップしているようなことが書いてあったが、日本学術会議のHPを見る限り、そういうことは書いていない。中国には今「千人計画」どころか「万人計画」もあるので、そのような細かなことを突っついて「どこに書いてあるんですか?」という反撃材料を提供するのは賢明ではないだろう。

 

 

日本学術会議は菅総理による任命拒否に対して「学問の自由が侵された」と主張しているようだが、日本学術会議は日本政府が毎年10億円以上の経費を注ぎ込んで運営されている機関だ。会員が自腹で会費を支払って成り立っている「政府とはいかなる関係もない、独立した学会」とは違う。国民の税金で「食わせてもらっている組織」ではないのだろうか?

 

もちろん学問の自由は絶対に保障されなければならないし、発言の自由も民主主義国家の大原則として保障されていなければならない。

しかし、国民の税金で生きている以上、一定程度の日本政府による監督権は働くのが自然ではないのだろうか。つまり「日本国民による監督」が必要だということだ。