青林書院の近刊です。
弁護士知財ネットの理事長も務める、小松陽一郎先生の古稀記念論文集です。
気軽に買える値段の書籍ではありませんが、87のテーマについて、第一人者の方が解説する形式になっています。
http://www.seirin.co.jp/book/01734.html
特許権侵害紛争の実務-裁判例を踏まえた解決手段とその展望-
編・著者 : 小松陽一郎先生古希記念論文集刊行会 編
判 型 : A5判
ページ数 : 1168
税込価格 : 19,440円(本体価格:18,000円)
発行年月 : 2018年05月
ISBN : 978-4-417-01734-9
■解説
古稀をお祝いして
小松陽一郎先生は,2018年5月12日に満70歳のお誕生日を迎えられる。
お元気に,古稀という人生の節目の一つに達せられたこと,そして,これを記念して本書が刊行されることに,心からお祝いを申し上げる。
先生は,その誕生月5月の陽光を身に帯して,いつも明るく爽やかであり,また,古く信望の誉れ高い小松殿平重盛ゆかりの系譜に連なると仄聞するその血筋の故に自ずと将たるの風格を持たれている。
そのお人柄,資質から,知的財産法,企業法など広い分野で弁護士としての業績を上げられるとともに,日本弁護士連合会知的財産センター幹事として活動され,特に近時は,国内外1000名を超える会員を擁する弁護士知財ネットの理事長としての御活躍が目覚ましい。すなわち,知財ネットの国際的,国内的活動の一層の展開を図り,外には,2014年以降,インドネシア,ミャンマー2回,シンガポール,韓国,ベトナムに,知的財産センターとの合同調査訪問団を率いて訪問され,また,国際的な知的財産法シンポジウムの開催に協力されるなど,国際的協力の促進に助力され,内にあっては,全国各地の知的財産関係実務家の交流,啓発及び育成に尽力されている。その例として,2015年には,歌舞伎,文楽,花街における技芸や伝統食品の製法など我が国の伝統文化の保護と世界的展開をサポートするためジャパンコンテンツ調査研究チームを編成され,2017年には,農林水産業に関わる法的問題への積極的な関与を図るため農水法務支援チームを立ち上げられ,早速,その成果として,関係諸官庁との協力により農水知財の基本テキストともいうべき『攻めの農林水産業のための知財戦略』が発刊された。
先生は,これらの御活動と並んで,巻末の「主要著作目録」に示されているように,その研究の成果を多数の著作として公にされるとともに,多年,関西大学・立命館大学の法科大学院教授として学生を指導され,また,関西での知的財産権法研究会を主宰されて,馬瀬文夫先生,石黒淳平先生,村林隆一先生,小野昌延先生ら先輩方が築かれた良き伝統を承継し後輩の育成に意を注がれている。
これら多方面の御活動に当たって,先生に接する者はいずれも,先生の朗らかにユーモアたっぷりに分け隔てなく応対されるお人柄に魅せられる。先生の人望の高さは,本書に寄稿された方が89名という多数に上ることにも表れている。
10年前の還暦記念に続き古稀記念として本書が献呈されることは,先生の喜びとされるところであろう。しかし,先生のお気持ちとしては,単にこれを受けることを多とし喜びとされるだけではなく,このような論文集の企画に当たって特に後進に執筆の機会を提供することができるならば,かつて若き日の先生がそうであったように,意欲のある後継者にとって勉強をする励みとなり,それが成長への一つの契機となる,そのようになってほしいという先輩としての暖かい配慮があると思われる。
古稀とはいえ,現在の長寿社会では,まだまだ人生の先は開けている。敬愛する小松先生が,これからも一層御健勝に過ごされ,後に続く者の範として益々御活躍されることを祈念して,お祝いの言葉とさせていただく。
2018年4月吉日
牧野利秋