先月4/20ですが、日本弁理士会は、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議における「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」の決定を歓迎する表明を行いました。

https://www.jpaa.or.jp/new/statement20180420/

日本弁理士会は、近年、漫画やアニメ等を違法に掲載したインターネット上の海賊版サイトにより、著作権を主とする知的財産権の被害が急速に拡大している状況において、このたび政府により「知的財産戦略本部会合・犯罪対策閣僚会議」が開催され、「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」が決定されたことを歓迎いたします。

日本弁理士会は、知的財産権の専門家である弁理士及び特許業務法人と共に、今後も各種コンテンツの著作権保護を支援し、産業の健全な発展のために取り組みを進めて参ります。

 

これについては、疑問の声も挙がっています。

違法サイトへアクセスすることを検知し、ブッロキングするのは、検閲に当たり、通信の自由を侵害し、憲法違反であるとのこと。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20180424-00084392/

そこで、同時に発表された日本弁理士会の本件に関する発表がサイトに掲載されるわけですが、どうしたことでしょう、先に掲載しました映画連盟とタイトルは全く同じ、「歓迎」のコメントもほとんど同じ内容が掲載されております。

ところが、日本弁理士会の副会長や執行理事は「このような政府方針への『歓迎』声明が弁理士会名で発表されることは知らなかった」と説明しています。中でも、弁護士資格も持つ弁理士会関係者は「業法違反どころか違憲の疑いも濃いこの政府決定に、手放しで弁理士会が賛同し歓迎するなどあり得ない。組織内で適切な議論を経て意志決定されたものとは思えず、強い憤りを覚える」としています。

 

 

しかし、漫画村のような明らかな違法著作物提供サイトへアクセス制限することが、そんなに重大なことなのでしょうか。

18歳未満がアダルトサイトへアクセスできないよう、ブロックするサービスは、携帯各社が提供していますが、それとどう違うのでしょうか。

 

むしろ、誰もが違法なサイトと知っているのに、憲法を盾にアクセスを野放しにすることのほうが、害が大きいでしょう。

 

講談社は漫画村について以下のようにコメントしています。

極めて悪質でやっかいな相手といえるでしょう。

 

ユーザーのパケットを解析してアクセスを制限する際に、通信の中身まで読んでいる訳ではありません。

様々な考え方はあるでしょうが、このようなサイトへのアクセス制限が憲法違反になるというのは、論理の飛躍と感じます。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw3467213

●「数え切れないほど削除要請してきた」「刑事告訴、行った」

――「漫画村」に対して、これまでどのような対策を採ってきたのか。

 数え切れないほどのテイクダウン要請・削除要請を行ってきた。「漫画村」のサイト本体や、サイトをホスティングしているサーバ、CDNのCloudflare、サイバーロッカー(漫画コンテンツなどを保存しているストレージサービス)への削除要請は、国内外を問わず行ってきた。だが、すべて無視されている。

 漫画村に限らずだが、著作権侵害コンテンツのパトロールとテイクダウン要請は、講談社だけで月に1万数千件、年間17万件出している。

 DMCA(米デジタルミレニアム著作権法)に基づき、Googleに対して、検索結果から削除するよう要請も行っている。Googleはいったんは削除に応じるが、すぐに戻ってしまい、「漫画村 作品名」で検索すると、検索結果に表示される状態がずっと続いていた。Googleが戻していたのか、漫画村がすぐURL変えるなど対応していたのか分からないが。

 

●「漫画村」による被害はどれぐらいあったのか

――コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、「漫画村」による権利者の被害額を約3000億円と試算した(※)。コミックス市場(電子含む)が4000億円前後で推移する中、この数字は「過大ではないか」との指摘もある。

 

●「ブロッキングが唯一絶対の方策とは考えていない」

――今回、政府は「漫画村」のブロッキングをISPに促すことを決めた。法整備が行われない状態での海賊版サイトブロッキングは、ISPに通信の秘密の侵害を強制することにもつながる他、「表現の自由・知る権利に対する諸刃の剣」との指摘もある。表現を生業にする出版社として、政府にブロッキング推進を要請することは、自分の首を絞めることにもつながるのではないか。

 その懸念はあるが、海賊版サイトの被害が拡大し、あらゆる手立てを排除できない状態であるため、対策の選択肢の中に、サイトブロッキングも入ってくる。当社としては、ブロッキングが唯一絶対の方策とは考えていない。海賊版サイトに対するテイクダウン要請や訴訟、収入源となっている広告への対策、読者の啓蒙なども対策の一つだ。また、海賊版漫画(静止画)のダウンロード違法化、リーチサイト対策の立法なども必要だ。