こんにちは。

一昨日ですが、日本弁理士会の職務発明制度改正に関する意見書が公開されました。この意見書は3/24の産構審 特許制度小委員会に提出されたようです。

http://www.jpaa.or.jp/activity/appeal/2014/20140127appeal.pdf


職務発明の法人帰属について2つの考え方を紹介した上で、自然人を発明者として原始的には特許を受ける権利は発明者に発生させるが、発明が完成した時点で特許を受ける権利を法人に帰属させるべきという立場を取っています。


法人自身が著作者となる、著作権法の法人帰属とは異なった考え方です。


ただ、特許を受ける権利を使用者へ予約承継できる現行法と、考え方はそれほど変わらない気もします。


発明報奨を法定したうえで、各企業の裁量に任せることを提案しています。

ただし、現行法でも35条4項で、対価は就業規則等で定めるとしていますので、考え方としてはあまり変わらないように思います。


なお、大学関係者やスーパー発明者については、別途検討を要すると結んでいます。


法改正しても、発明報奨に不満のある従業員は、退職後等に訴訟を起こす可能性があります。しかし、金銭報酬について、現実には全てを円満に解決することは難しいでしょう。話し合いで解決できないものを裁判所へ提起すること自体、憲法で定められた国民の権利です。


もっとも、現行の平成16年改正法において、職務発明訴訟が起こされたのは、就業規則等で対価の定め等がなかったケースのみと聞いています。

予め定められた対価の額を巡って争った訴訟はない訳ですがら、この意見書のように法改正しても、問題もあまり生じないでしょう。


逆に言えば、現行の平成16年改正法に、大きな問題はないという見方もできます。