日本知的財産協会(知財協)の雑誌「知財管理7月号」に、『特許調査担当のあり方に関する調査と提言』という記事が載っています、

http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/mokuji/mokuji1107.html


特許調査専任者のいる会社では、専任者(サーチャー)は主に無効資料調査や侵害予防調査といった検索・判断能力を要する調査を担当し、先行技術調査や技術動向調査は研究者が自ら行うといった傾向があるようです。

そして、専任者のいない会社の場合、こういった業務は知財部員が行っているケースが多いと書かれています。

企業内サーチャー向けの記事ではありますが、全体を要約すれば、単に検索能力に長けているだけでは、外部の調査機関を利用すれば良く、その他の能力も磨くべきといった論調と感じられました。


なお、検索以外の能力とは、関係部署とのコミュニケーション能力、経営・事業戦略的なセンス、特許性や侵害の判断等のスキルといったところです。


企業内サーチャーだけでなく、特許調査会社などの外部のサーチャーにも参考になる記事でした。



もっとも、問題意識があって、こういった記事を読んでいる方は、自分で問題点を見つけ出して課題を解決したり、自分の長所を伸ばしたり、足りないところを補うなど自己啓発も出来る方と思います。


本当の問題は、こういった記事を読まない方が多いことです。

私の身近な方に、たまたまそういう人が多いだけなのかもしれませんが、ただデータベースと特許分類を使った検索をして、近い文献などをお客さんへ渡せば良しとしている方が多いように見受けられます。


しかし、近い文献を探す仕事は、いずれコンピュータに取って代わられるはずです。これでは、サーチャーの地位向上などと言っても、認められないでしょう。