今日のブログ3連投です。この3連休は寒くてあまり外出しなかったためです。

今回は、特許庁の関連団体である、工業所有権情報・研修館が運営するIPDL(電子図書館)を採り上げます。企業の発明者さんへ特許調査のセミナーを行う際は、どの会社の誰でも利用できることから、IPDLを基に説明する場合が多いです。

http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

電子図書館事業は、最近事業仕分けでも話題になりました。
http://www.cao.go.jp/sasshin/shiwake3/details/pdf/1029/kekka/A16.pdf


IPDLのメリット
1.まずは、これ。インターネットさえつながれば、無料で検索できる。これは大きい。ネットカフェでも調査できます。
2.大正11年の公告公報から、最新の公報まで一通り参照できる。
3.経過情報に関しては最も信頼できる。
4.審査書類情報照会により、2003年以降の出願経過包袋(意見書、補正書、拒絶理由通知書等)を見られる。
5.パテントマップガイダンスにより、特許分類(IPC/FI/Fターム)を参照できる。
6.英文抄録のPAJやUS/EP公報の和文抄録も用意されている。
7.1年ほど前から、「公報テキスト検索」でNOT演算ができるようになり、先に検索した結果を除くことができるようになった。
8.「特許分類検索」では、FI/Fタームの遡及検索や下位分類を含めた検索が可能。

IPDLのデメリット
1.集合間演算ができない。すなわち、複雑な検索式を作ることができない。
2.公報など情報を見る際、ネットで一件一件、クリックしなければならず、効率が悪い。また、公報の一括ダウンロードができず、一件一件、暗証番号を入力する必要がある。
3.Fタームが利用できるのは、「特許分類検索」のみで、Fタームとテキスト検索の組み合わせができない。これは結構不便。
4.「公報テキスト検索」では、平成5年以降発行の公開公報、昭和61年以降発行の公告・登録公報しか検索できない。
5.「公報テキスト検索」では、公報発行時のIPC/FIしか検索できず、出願人・権利者の検索も公報発行時のみ。また、下位分類を含めた検索もできず、すべての分類を足し合わせる必要がある。
6.近傍検索や概念検索機能がない。

IPDLは無料ゆえ機能が制限されており、不便なところも多々ありますが、意外とメリットが多く、優れたDBであることがわかります。
IPDLに関しては以下の書籍がありますので、一緒に紹介しておきます。酒井さんの本は以前にも紹介しましたが、発明協会の新刊で、情報も新しいです。


特許調査入門

¥2,415
楽天


「特許調査」の基礎と応用

¥2,205
楽天