先週に続いて、早稲田大学の文理シンポジウムに参加してきました。


「文と理の狭間からの飛翔 -デザインの本質と法的保護の未来を探る-」

http://www.globalcoe-waseda-law-commerce.org/iiips/symposium.html#0328


私は不勉強で、大阪大学の川崎和男先生を存じ上げなかったのですが、デザイナーとして超一流な方で、一昨年アメリカ共和党で副大統領候補となったペイリンさんのメガネもデザインしたことがある方と後で知りました。

川崎先生のお話は、「意匠」というの言葉の意味を、漢字の根源から遡るなど、非常に哲学的でした。


第二部は、東大大渕先生の司会で、弁理士の五味先生、特許庁意匠課長、北大田村先生、弁理士の峯先生のお話がありました。こちらのほうが、弁理士の自分にとっては面白い話でした。


ただ、意匠の需要説と創作性の対立はあまり論点にはならず、話を聞きに来られていた知財高裁の塚原所長も、裁判所は混同説や創作説にこだわらず、当事者が提出した膨大な証拠に基づいて、具体的詳細に類否判断をしていると発言されていました。


他に無審査登録制度などダブルトラックの話や物品性に関する論点もありました。特許庁も既に物品性に関しては柔軟に対応し、住宅関連に関してはかなりものが物品として扱われているとのことでした。


無審査登録制度は、著作権法にもありますが、あまり利用されていません。そのため、一部に導入の声があるものの、意匠の無審査登録制度を設けても利用が低迷しそうな感じもします。


よく言われる話ではありますが、一流と言われる方の話を聞くのは、知識面の勉強になるだけでなく、人生の勉強にもなります。