私は以前リラゼーションセラピストの仕事をしていたが、転職のあいまに様々な仕事を経験した。その一つにホテルの客室清掃がある。

 

子供が小さかった30代から40代の頃はよく出かけ、毎週日帰りでどこかの行楽地に行き、毎年最低1回は旅行に行った。主に箱根や伊豆が中心だったが、山梨や東北、北海道などに行き、行く地域ではそれなりのホテルに宿泊した。とても良い思い出として今も心に残っている。ホテルとはそんな場所である。

 

しかし、私は客室清掃を経験し、今後のホテル選びと利用方法を考えさせられた。私が勤務したのは東京三多摩地区某所のシティホテルだ。

客室清掃はとにかく忙しく、一部屋を20分で終わらせる必要がある。これは低価格で下請けしているため、1時間で3部屋を終わらせなければ採算が取れないからである。

 

ベッドメイクでは、シーツ、布団カバー、枕カバーは交換するが、シーツの下に敷いているパッドは交換しない。血のような汚れのついたパッドがたくさん使用されている。

 

トイレ、バス、洗面はスポンジを分けてきれいに洗い、利用したコップやマグカップも清掃スタッフが洗う。

手荒れ防止でゴム手袋を利用するが、同じ手袋のままトイレ、バス、コップまで洗う。

 

洗った後のトイレの拭き取りは、宿泊したお客様が利用したタオルや枕カバーで行う。

洗った後のバスの拭き取りは、宿泊したお客様が利用したバスタオルで行う。

洗った後のコップの水切りは、宿泊したお客様が利用したタオルを使う(拭き取りは専用タオル)。

洗った後の洗面の拭き取りは、宿泊したお客様が利用した枕カバーを使う。

 

廊下では、小さい子供を連れた親子や、若いカップル、何かの記念に訪れている夫婦に会うことがある。

 

私は心を痛めた。ゴム手袋はトイレだけで利用し、コップの水切りはこっそりリネン後のタオルを隠し持ち、それを利用した。枕カバーでトイレを拭き上げるのはやめた。

 

私は1ヵ月で辞めた。

辞めた当初、このホテルをマスコミに公表したいと思ったが、未だに公表はしていない。

ホテルが悪いわけではない。下請けの清掃会社が悪いのだ。まあ、安く清掃させているのはホテル側だが…ホテル側は事実を知っているのか?知らないのか?

気が向いたらホテルに教えよう、清掃員を下に見ていたホテルマンを思い出すと、マスコミにしようか、YouTubeにしようか。

 

いずれにせよ、研修中に様子を撮影したビデオはまだ残っている。