傭船契約と船荷証券の関係1 | 海事法まとめノート

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英国海事法を勉強している日本の弁護士です。海事法の知識をまとめています(記事の内容は特段の断りがない限り、英国法の解釈を示したものとご理解ください)。質問は歓迎ですが、回答にはお時間をいただきます。現在都合により更新しておりませんが、6月頃から再開予定です。

船主と傭船者の間で傭船契約が締結されると同時に、船主から傭船者に対して船荷証券が発行されることがあります。

 

例えば、傭船者は、貨物の数量及びその状態を確認する趣旨で、船主に対して、船荷証券の発行を依頼することがあります。

 

このような場合に発行された船荷証券は、貨物の受取り又は船積みの証拠及び運送品引渡し請求権を表す書類としての機能しか有さず、運送契約の証拠としての機能は有さないというべきでしょう。

 

したがって、船主と傭船者間の契約条件は、傭船契約によると考えられます。ハーグ・ルールやハーグ・ヴィスビー・ルールも、少なくとも船主・傭船者間には適用されないというべきです。ただし、貨物が第三者に売却され、船荷証券が譲渡された場合には、当該第三者との関係においては、それらが適用されると考えられます。