隣の席の闇 | 歌手×介護福祉士×占い師 ビセケンのブログ(※ハリポタ・ファンタビ多め)

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歌手と介護福祉士と占い師をしています。ビセケンと申します。ブログは思いついたことや、ハリポタ・ファンタビ、歌、占い、介護ことなど、テキトーに書いてます。首尾一貫していません。

 

 

 

彼女はいつも机に落書きをしていた。

 

今日も、昨日も、多分明日も。多分ずっと。

 

授業中も、

休憩時間も、

昼休みも、

ホームルーム中も、

放課後も、

落書きをし続けていた。

 

クラスのみんなは、

彼女が何を書いているのか、

訝しがっていた。

 

でも、見にいくことまではしなかった。

 

でも僕は、彼女がトイレに行った隙を見計らって、机の上を覗いた。

隣の席だから、今までだって見ることはできたけど。

 

初めて、覗いてみた。

 

 

そこには、

机いっぱいに、

誰にも受け入れられないような、

落書きがされてあった。

 

何か嫌な感じがした。

 

 

その日から、彼女が放課後、

家に帰るために席を離れるまで、

 

勉強をするフリをして、

隣で見守っていた。

 

彼女はいつも僕に背を向けて書いていた。

 

背を向け、机の上を隠すように。

 

 

僕はどうしようかと考えた挙句、

 

彼女が帰った後、こっそりと落書きを消した。

幸い、鉛筆で書かれていたので、消しゴムで消せた。

 

消えないペンで書くほどの勇気はなかったのだろう。

 

 

毎日、毎日、消し続けた。

 

1週間で一つの消しゴムを使い切るほどだった。

 

毎日、消し続けた。

 

 

ある時から、

彼女の身体が震えていることがあった。

 

彼女がついに「おかしくなったのでは?」 

と思い、僕は焦った。

 

でも、彼女は書き続けた。

 

彼女にとってそれは、

落書きではないのかもしれない。

 

彼女にとっては、

書き続けることで心が落ち着くのだろう。

彼女にとっては、

楽しいのだろう。

彼女にとっては、

何かの吐け口になっているのだろう。

 

震えはおさまらない。

 

むしろ激しさを増している。

 

 

そう思った頃、彼女は転校した。

 

 

 

担任の先生は、「家庭の事情で」

って言ってたけど、

 

僕は違うと思う。

 

 

だって、僕がイジメてたんだもん。

 

 

 

 

 

隣の席の闇

 

でした。

 

 

 

フィクションです。

 

 

ありがとうございます。

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