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Do Androids Dream of Electric Sheep? -5-

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《作品一覧》
日本語訳された作品のみ記す。末尾の年は原書の出版年。また1982年以降の作品は、死後に出版された作品であることを示す。(タイトルが複数あるものは括弧内に示した)
なお、ディックのSF長編については、早川書房がまず、小説としての出来のいい作品を翻訳。その後、小説としての完成度は低いが、ディック的な魅力がある作品を、ディック死後に訪れた再評価の波にも乗り、サンリオSF文庫が大量に翻訳刊行した。サンリオSF文庫の廃刊後は、半数以上の作品がそのまま創元SF文庫に収録、もしくは新訳刊行がされた。短編集ほか一部がハヤカワ文庫で改訂刊行。創元SF文庫はその後もディックの未訳の長編の翻訳を継続し、「全長編の刊行を目指す」と称していたが、現在一部品切れが出ている。創元SF文庫で出ていた「暗闇のスキャナー」がハヤカワ文庫で「スキャナー・ダークリー」として新訳再刊されるなどの動きもある。2015年の創元SF文庫『ヴァルカンの鉄鎚』で、すべてのSF長編が翻訳された。

《SF小説(長編)》
偶然世界(太陽クイズ) Solar Lottery (Quizmaster Take All) (1955年)

ジョーンズの世界 The World Jones Made (Womb for Another) (1956年)

いたずらの問題 The Man who Japed (1956年)

宇宙の眼(虚空の眼) Eye in the Sky (1957年)

宇宙の操り人形 The Cosmic Puppets (1957年)

時は乱れて Time out of Joint (Biography in Time) (1959年)

未来医師 Dr. Futurity (1960年)

ヴァルカンの鉄鎚 Vulcan's Hammer (1960年)

高い城の男 The Man in the High Castle (1962年)

タイタンのゲーム・プレーヤー The Game-Players of Titan (1963年)

アルファ系衛星の氏族たち Clans of the Alphane Moon (1964年)

火星のタイム・スリップ Martian Time-Slip (1964年)

最後から二番目の真実 The Penultimate Truth (1964年)

シミュラクラ The Simulacra (1964年)

ドクター・ブラッドマネー 博士の血の贖い(ブラッドマネー博士) Dr. Bloodmoney (1965年)

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)

去年を待ちながら Now Wait for Last Year (1966年)

ライズ民間警察機構(テレポートされざる者) Lies,INC. (The Unteleported Man) (1966年)

空間亀裂 The Crack in Space (1966年)

逆まわりの世界 Counter-Clock World (1967年)

ザップ・ガン The Zap Gun (1967年)

ガニメデ支配 Ganymede Takeover (1967年)(レイ・ネルソンとの共作)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)

銀河の壺なおし(銀河の壺直し) Galactic Pot-Healer (1969年)

ユービック Ubik (1969年)

死の迷路(死の迷宮) A Maze of Death (1970年)

フロリクス8から来た友人 Our Friend from Frolix 8 (1970年)

あなたをつくります(あなたを合成します) We Can Build You (1972年)

流れよわが涙、と警官は言った(流れよ我が涙、と警官は言った) Flow my Tears, the Policeman Said (1974年)

怒りの神 Deus Irae (1976年)(ロジャー・ゼラズニイとの共作)

スキャナー・ダークリー (暗闇のスキャナー) A Scanner Darkly (1977年)

ヴァリス VALIS (1981年)

聖なる侵入 The Devine Invasion (1981年)

ユービック:スクリーンプレイ Ubik:The Screenplay(1985年)

アルベマス Radio Free Albemuth (1985年)

ニックとグリマング Nick and the Glimmung (1988年)※児童向け

《SF小説(短編集)》
原題 のないものは日本で編纂されたもの。
地図にない町(1976年、仁賀克雄編)

人間狩り(1982年・1991年・2006年、仁賀克雄編)

パーキーパットの日々(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の一巻(1977年)

報酬(ハヤカワ文庫、1991年)

時間飛行士へのささやかな贈り物(サ・ベスト・オブ・P・K・ディック II)The Best of Phillip K. Dick 二分冊の二巻(1977年)

顔のない博物館(1983年、仁賀克雄編)

宇宙の操り人形(1984年・1992年、仁賀克雄編)

ウォー・ゲーム(1985年・1992年、仁賀克雄編)

ゴールデン・マン(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック III)The Golden Man 二分冊の一巻(1980年)

まだ人間じゃない(ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック IV)The Golden Man 二分冊の二巻(1980年)

悪夢機械(1987年、浅倉久志編)

模造記憶(1989年、浅倉久志編)

ウォー・ベテラン(1992年、仁賀克雄編)

永久戦争(1993年、浅倉久志編)

少数報告(マイノリティ・リポート)(1999年)

シビュラの目(2000年)

人間狩り (2006年、仁賀克雄編)

髑髏 (2009年、仁賀克雄)

アジャストメント ディック短篇傑作選1(2011年、大森望編)

トータル・リコール ディック短篇傑作選2(2012年、大森望編)

変数人間 ディック短篇傑作選3(2013年、大森望編)

変種第二号 ディック短篇傑作選4(2014年、大森望編)

小さな黒い箱 ディック短篇傑作選5(2014年、大森望編)

人間以前 ディック短篇傑作選6(2014年、大森望編)

《一般小説》
市に虎声あらん "Voices from the Street" (1950年)- 処女作であるが、出版は2007年。平凡社による日本語版は2013年

ジャック・イジドアの告白(戦争が終わり、世界の終わりが始まった) Confessions of a Crap Artist (1975年)

ティモシー・アーチャーの転生 The Transmigration of Timothy Archer (1982年)

小さな場所で大騒ぎ Puttering about in a Small Land (1985年)

メアリと巨人 Mary and the Giant (1987年)

《ノンフィクション》
ラスト・テスタメント P・K・ディックの最後の聖訓(グレッグ・リックマン編) Philip K. Dick the Last Testament Philip K. Dick (1985年) -インタビュー

フィリップ・K・ディック 我が生涯の弁明(ロランス・スーティン編)In pursuit of Valis: selections from the exegesis (1991年) -『釈義』

フィリップ・K・ディックのすべて -ノンフィクション集成(ローレンス・スーチン編) The Shifting Realities of Philip K. Dick (1995年)

《関連書籍》
『「SFの本」第1号 特集=P・K・ディックにくびったけ!』(新時代社、1982年)

『悪夢としてのP・K・ディック―人間、アンドロイド、機械』(サンリオ、1986年)

『あぶくの城 -フィリップ・K・ディックの研究読本』(北宋社、1983年)

『「銀星倶楽部」(12号〉 特集:フィリップ・K・ディック』(ペヨトル工房、1989年)

『ユリイカ詩と批評 特集 「P・K・ディックの世界」』(青土社、1991年1月号)

ポール・ウィリアムズ 『フィリップ・K・ディックの世界 消える現実』(小川隆・大場正明訳、ペヨトル工房、1991年/河出書房新社(改訳版)、2017年)

『トーキングヘッズ叢書10 PKD博覧会―われわれは、ディックの宇宙に生きている!』(アトリエサード、1996年)

『フィリップ・K・ディック・リポート』(ハヤカワ文庫、2002年)


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Do Androids Dream of Electric Sheep? -4-

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《映画化作品》
多数のディック作品が映画化されてきた。ディック本人が1974年にジャン=ピエール・ゴランによって映画化されるはずだった『ユービック』の映画用脚本を書いたことがあるが、このときの企画は頓挫した。その後、ディック自らが書いたシナリオが出版された(『ユービック:スクリーンプレイ』)。また、ブライアン・オールディスが『火星のタイムスリップ』の映画化をスタンリー・キューブリックに薦めていた時期があったという。映画の多くはディックの原題をそのまま題名にしていない。これについてかつての妻Tessa(レスリー・バズビー)は「実際、ディック本人がつけた題名が本の題になったことはほとんどない。いつも、編集者が原稿を読んだ上で題名を決めていた。フィルはよい題名が思い浮かばないとよく言っていた。それができるようだったら作家じゃなくてコピーライターになっていたでしょう」と語っている。

映画化作品の売り上げの累計は2009年現在で10億ドルに達している。
ブレードランナー(1982年)
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(1968年) の映画化。監督リドリー・スコット、主演ハリソン・フォード。
出版後早くから映画化の話が持ち上がり、マーティン・スコセッシが映画化権の獲得を目指したが、失敗している。1970年代初めには映画プロデューサーのハーブ・ジャッフェが権利獲得を目指すが、ディックは彼の草稿を気に入らず拒否した。その後、1975年にハンプトン・ファンチャーが権利獲得の交渉を行ったものの成立せず、ファンチャーの知人を介した話し合いで1977年にようやく映画化が決定した。しかし、ディックは彼が書きあげた脚本を気に入らず、何度も改稿がなされた。プロデューサーのマイケル・ディーリーは監督にスコットを推していたものの、初め彼は断った。しかし、当時監督に内定していた『デューン/砂の惑星』の制作が思うように進まないことに不満を持ち降板、オファーを受け1980年2月に監督に就任した。
脚本の執筆が遅れていたファンチャーは、スコットとの意見の相違もあって同年12月に降板、デヴィッド・ピープルズが起用され、彼の改稿で撮影が開始された。ディックは映画化権を譲渡して以降の制作には関わっていないが、撮影が進行してからも映画の出来栄えを不安視し、ノベライズ版の執筆も断っている。しかし、2019年のロサンゼルスを描いたVFXシーンのラッシュプリントを観たディックは、「まさに私が想像していた通りだ!」と喜んだという。スコットはそもそも原作を全く読んでいなかったが、その後ディックと映画のテーマについて入念に話し合った。彼らの視点は全く異なっていたが、やがてディックはこの映画を完全に支持するようになり、「SFの概念そのものにとって革命的な作品となる」旨の、期待を認めた手紙を制作会社に送るほどであった。しかし、彼は映画の完成を見届けることなく亡くなった。

トータル・リコール(1990年)
短編「追憶売ります」の映画化。監督ポール・バーホーベン、主演アーノルド・シュワルツェネッガー。現実と虚構の混乱、人間に口答えする機械、自身のアイデンティティに疑いを持つ主人公といったディック的要素がある。

バルジョーでいこう!(1992年)
普通小説『戦争が終わり、世界の終わりが始まった』の映画化。フランスでのディック人気を反映し、フランスで製作された。原作に最も忠実である。作中のテレビ番組にディックのSF短編がオマージュとして使われている。

スクリーマーズ(1995年)
短編「変種第二号」の映画化。監督クリスチャン・デュゲイ、主演ピーター・ウェラー。原作は戦争で荒廃した地球が舞台だったが、異星に変更されている。主演を変えた続編 Screamers: The Hunting がオリジナルビデオ (DVD) として2009年に発売されている。

クローン(2001年)
短編「にせもの」の映画化。なお、この短編小説は1962年にイギリスでテレビドラマ化されたことがある。

マイノリティ・リポート(2002年)
短編「マイノリティ・リポート」(旧題:「少数報告」)の映画化。監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・クルーズ。原作とはプロットがかなり異なり、アクションシーンが追加されている。

ペイチェック 消された記憶(2003年)
短編「報酬」の映画化。監督ジョン・ウー、主演ベン・アフレック。

スキャナー・ダークリー(2006年)
長編『暗闇のスキャナー』の映画化。監督リチャード・リンクレイター、主演キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダー。ロトスコープを使っている。

NEXT -ネクスト-(2007年)
短編「ゴールデン・マン」の映画化。監督リー・タマホリ、主演ニコラス・ケイジ。映画の舞台は未来から現在に変更されている。

アジャストメント(2011年)
短編「調整班」(1954年)の映画化。主演マット・デイモン。

トータル・リコール(2012年)
短編「追憶売ります」の2度目映画化。監督レン・ワイズマン、主演コリン・ファレル。1990年版より原作に忠実に映画化されている。

Radio Free Albemuth(原題)(2014年)
『アルベマス』の映画化。2010年頃にいくつかの映画祭で上映されているが、一般の劇場公開はアメリカで2014年6月27日。

映画化が発表された作品編集
2008年4月、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズが短編「妖精の王」の3Dアニメーション映画化を発表した。

2009年5月、『ターミネーター4』を製作した The Halcyon Company が『流れよ我が涙、と警官は言った』の映画化を発表した。

《ドラマ化作品》
マイノリティ・リポート
映画『マイノリティ・リポート』の後日譚として、2015年9月からドラマシリーズ『マイノリティ・リポート』が放送された。

高い城の男
『高い城の男』に基づいて、ドラマシリーズ『高い城の男』がAmazonオリジナルドラマとして2015年から配信されており、2016年にはシーズン2も配信された。

フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ
2016年から、10エピソードからなるアンソロジー・ドラマシリーズがソニー・ピクチャーズ・テレビジョンによって製作されている。イギリスでは2017年9月17日からチャンネル4で放送、日本やアメリカではAmazonビデオによって配信されている。

真生活(『展示品』に基づく)
自動工場
人間らしさ
クレイジー・ダイアモンド (『CM地獄』に基づく)
フード・メイカー
安全第一 (『フォスター、お前はもう死んでるぞ』に基づく)
父さんに似たもの
ありえざる星
地図にない街
よそ者を殺せ (『吊されたよそ者』に基づく)

《舞台とラジオ》
少なくとも3作品が舞台で上演されている。1つはオペラ『ヴァリス』で、1987年12月パリのポンピドゥー・センターで初演された。作詞作曲は Tod Machover。その後、英訳され若干の改変後イギリスでも上演され、1988年にCDも発売された。Linda Hartinian が脚本を書いた『流れよ我が涙、と警官は言った』が1985年6月にボストンで上演され、その後ニューヨークとシカゴでも上演されている。『アルベマス』を原作とする舞台も1980年代に上演された。
ラジオドラマ化作品としては、フィンランドで1996年に放送された Menolippu Paratiisiin(原作は短編 "Mr. Spaceship")がある。1956年にはNBCが X Minus One という番組で短編「植民地」と「地球防衛軍」をラジオドラマとして放送している。

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Do Androids Dream of Electric Sheep? -3-

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《テーマ》
ディック作品は、「現実」というものの脆さと個人のアイデンティティの構築をテーマとすることが多い。
何らかの強力な外部の存在によって(例えば『ユービック』)、あるいは巨大な政治的陰謀によって、あるいは単に信頼できない語り手の変化によって、日常の世界が実際には構築された幻影だということに主人公らが徐々に気づき、超現実的なファンタジーへと変貌していくことが多い。こうした「現実が崩壊していく強烈な感覚」は「ディック感覚」と呼ばれている。
「彼の作品は全て、単一の客観的現実は存在しないという基本的前提から出発している」とSF作家チャールズ・プラットは書いている。
「全ては知覚の問題である。地面はあなたの足元から変化していく傾向がある。主人公は別人の夢の中で生きていることに気づいたり、薬物に影響されて現実世界をよりよく理解できる状態になったり、完全に違う宇宙に足を踏み入れたりする」

パラレルワールドと「シミュラクラ」がプロットの道具としてよく使われ、その世界には普通の労働者が住んでいる。アーシュラ・K・ル=グウィンは「ディック作品にはヒーローがいないが、英雄的行為は存在する。ディケンズを思い起こさせるところもあり、普通の人々の正直さ、貞節、親切、忍耐を大切にしている」と書いている。
ディックがカール・グスタフ・ユングに大きく影響されていることは明らかである。特に、集合無意識の元型、集団投影/幻覚、シンクロニシティ、個性化論などの影響が強い。
『テレポートされざる者』などではユング心理学の用語が実際に使われている。

ディックのもう1つのテーマとして「戦争」があり、特に戦争への恐怖と憎悪がある。Steven Owen Godersky は「酸素が水に溶けるように彼の作品全体にそれが染み付いている」としている。
また、精神疾患もよく扱われるテーマである。『火星のタイムスリップ』(1964) に登場するジャック・ボーレンは精神分裂病の前歴がある設定である。『アルファ系衛星の氏族たち』は、精神病院の患者たちの子孫が形成した社会を描いている。1965年には「分裂症と『変化の書』」というエッセイを書いている。

薬物使用(薬物乱用)もよく見られるテーマで、『暗闇のスキャナー』や『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』に顕著である。ディックは生涯のかなりの期間で薬物を使用していた。1975年のローリング・ストーン誌のインタビューで、ディックは1970年より以前の作品は全てアンフェタミンを服用した状態で書いたと述べている。インタビューでディックは「『暗闇のスキャナー』がスピードを全く飲まずに書いた最初の長編だ」と語っている。短期間だけサイケデリックを試したこともある。しかしローリング・ストーン誌が「LSD小説の古典でありオールタイムベスト」だとした『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』を書いたのは幻覚剤を試す前のことだった。アンフェタミンを多用したディックだが、後に医師から彼はアンフェタミンの影響を受けない体質で、それが脳に達する前に肝臓が処理していると言われたという。

最晩年の作品であるヴァリス三部作(『ヴァリス』『聖なる侵入』『ティモシー・アーチャーの転生』。あるいは生前に刊行された『ヴァリス』『聖なる侵入』だけをもって「ヴァリス二部作」とも呼ばれる)では、キリスト教神学とグノーシス主義が中心モチーフになっている。そこでは、この世界が狂った神(ヤルダバオト)により想像された混沌であるというグノーシス思想が、「黒き鉄の牢獄」というキーワードで表現され、登場人物が、混沌の中に真の唯一者の兆候を探し、救済を求める様子が描かれる。

《受賞歴》
1963年 ヒューゴー賞 - 『高い城の男』

1975年 ジョン・W・キャンベル記念賞 - 『流れよ我が涙、と警官は言った』

1978年 英国SF協会賞 - 『暗闇のスキャナー』

フィリップ・K・ディック賞はフィラデルフィアSFソサエティが主催するNorwesconで毎年授与されている。

《影響》
ディックは多くの作家に影響を与えている。ディックの影響を受けたとされる作家としては、ウィリアム・ギブスン、ジョナサン・レセム、アーシュラ・K・ル=グウィンがいる。
Philip K. Dick Society はディックの作品を管理する団体で、友人だった音楽評論家ポール・ウィリアムズが設立した。ウィリアムズはディックの遺産管理人も務め、ディックへのインタビュー本『フィリップ・K・ディックの世界―消える現実』(Only Apparently Real: The World of Philip K. Dick)も書いている。

ディックの死後、ディックを登場人物とした作品がいくつか書かれている。マイクル・ビショップのThe Secret Ascension (1987年、後に Philip K. Dick Is Dead, Alas に改題)は、ディックが純文学作家となっており、リチャード・ニクソンが支配する全体主義のアメリカでSFが禁止されている世界が描かれている。
他にも次のような小説でディックが登場している。
マイクル・スワンウィックの短編 "The Transmigration of Philip K"(1984年)
ブライアン・オールディスのKindred Blood in Kensington Gore (1992年)
Philip Purser-Hallard のOf the City of the Saved... (2004年)
Victoria Stewart の戯曲 800 Words: the Transmigration of Philip K. Dick (2005年)はディックの最後の日々を描いている。
法月綸太郎のミステリ長編『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』(2015)では、ディックをモデルとしたSF作家P・K・トロッターの、死後発見された未発表原稿が物語の軸となっている。

《映画》
ディックは映画製作者にも影響を与えており、以下の映画作品がディック作品と比較されている。
アダプテーション
イグジステンズ
エターナル・サンシャイン
エルム街の悪夢
ガタカ
サウスランド・テイルズ
スパイダー
ダークシティ
12モンキーズ
トゥルーマン・ショー
ドニー・ダーコ
Π
バニラ・スカイ
ヴィデオドローム
ファイト・クラブ
マトリックス
マルコヴィッチの穴
マルホランド・ドライブ
メメント
2010年のSF映画15 till Midnight はディック作品の影響を認めている。

《音楽》
ソニック・ユースのアルバム『シスター』(1987年)の一部はディック作品に着想を得ており、アルバムタイトルの「シスター」はディックの死んだ双子の妹を意味している。

《現代思想》
ディックのポストモダン性の予示は、ジャン・ボードリヤール、フレドリック・ジェイムソン、スラヴォイ・ジジェクといった多くの思想家達に注目されている。ジジェクはジャック・ラカンの考え方を明確化するのにディックの短編小説をよく利用する。

《翻案》
点字訳
1975年、National Library for the Blind がディックに対して『高い城の男』を点字本にする許可を求めたところ、ディックは今後出版されるものも含めて全作品を点字にしてかまわないと返事をした。そのため複数の作品が点字本になっている。

《電子書籍》
2010年7月17日現在、初期の11作品がアメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっており、プロジェクト・グーテンベルクによって電子書籍化されている。

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