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1971年からの地図

見たもの聞いたもの感じたものについて、とりあえずざっくりと説明するブログです。守備範囲はやや広め。

例えば貴君が贔屓にしている球団の試合を観に行ったとしよう。


初回に3点を取ったあとは投手戦となり7回に2点を取られたもののそのまま3ー2で贔屓チームが勝利。そして家に帰って今日の試合を振り返ってみようとスポーツニュースを観てみたら、なぜか2点を先行された我らがチームが3点を取り返して3−2の逆転勝ち、と紹介されていた、という話だ。


スコアは同じで勝ちは勝ち。筋書きは変わっているけれど逆転勝ちとドラマチックだからまあいいか。

••••とはならんだろう、普通は。


ところが今年の鳥人間コンテストはそういう話だった、という話だ。


まず、番組の冒頭でフライトしたのは横浜国立大学と東京都立大学。その後に暫定順位が紹介されいよいよ強豪チームの登場、という流れだった。



ここで紹介されたのは過去5回の優勝を誇る東京工業大学。残念ながら自己目標には届かなかったものの14kmを飛ぶビッグフライトでトップに。



その後早稲田大学が15kmを飛びトップが入れ替わり、最後に学生チーム最強の東北大学が逆転優勝、といった放送のされ方をしていた。



あの放送を見ていたならば当然東工大、早稲田、東北のフライト順だったと思うだろう。いやそれ以外には考えようがない。


だが実際のフライト順がどうだったかというと、実は早稲田、東工大、東北大の順であり、冒頭の東工大フライト前の時点では既に早稲田の結果は出ていたのだ。


事実としては東工大フライト前の暫定順位は1位早稲田、2位大阪公立大 3位大阪工業大 4位大阪大、の状況だったのだ。


ちょっと意味がわからないのは私だけだろうか。そのままでも十分賞賛されるだけのビッグフライトを果たした早稲田に対し、無理くり東工大からの首位奪取というシナリオを脚色して付け加えた、ということなのだ。穿った見方をすると何処かの誰かが無理くりの(本当は必要ない)早稲田推しをデッチあげたのではないか?と思えてしまうほどだ。制作陣のエライさんが早稲田出身でそれに忖度?みたいな?


いやいやいやさすがにそれはなかろうもん。


もっともそんな脚色などせずとも早々に首位に立った早稲田に対し、東工大、大阪公立大などの強豪古豪が挑むも僅かに及ばす、からの東北大学の逆転優勝!で充分燃える盛り上がる筋書きにできるはずなのだが。


この酷い原作?改変で最も割を喰ったのは大阪公立大学だろう。東工大は優勝5回の強豪と紹介されていたが大阪公立大は優勝6回である。うち3回は今は廃止されたスプリント部門の優勝であり、琵琶湖最強がバードマンハウス伊賀ならば、琵琶湖最速の王は大阪公立大堺・風車の会だと言っても過言ではない。


琵琶湖最速王の帰還


琵琶湖最速のチームが早稲田に挑むが僅かに及ばす、として誰が損あろうか。ところが今回大阪公立大は久々のビッグフライトで13kmを叩きだすも、扱いは最後のダイジェストでチョロっとだけの扱い。


むしろ大阪公立大学そんなに映したないんかい!と下衆な勘繰りをしてしまうほど。ちなみに鳥人間コンテストは地元大阪のよみうりテレビ制作なだけに余計にそう思ってしまう。そういや大阪公立大学は大阪維新のイチ押しだしなあ、なんて。


いやいやいやさすがにそんな訳はなかろうもん。


あ、でもそういや滑空部門3位の九州大学もダイジェストだったしなあ、九州大学も何かそんな割を喰うような事ってあったかなあ?そういや何処かの知事が九州大学出身だったような・・・いやいやいや。


別にTVに映るから偉いだの価値があるだのとは全く思わない。毎年琵琶湖に集うバードマン達が望むのはそんなものではなく、自分達の全てを掛けて作った飛行機がどこまで遠く飛ぶのか飛ばせるのか、その期待に見合った飛行距離という結果が出るかどうか、その一点が全てなのだろう。


なので正直どのチームもフライト順の脚色改変なんかはどうでも良い思っているのではないだろうか、飛行距離ただそれだけがが我らのこの1年の全てなのだと。


だからといって今年のようなやり方は絶対に駄目。放送するTVスタッフは彼ら彼女らにちゃんと「敬意は払えよ」と思う。


期待して来年を待つ。