或るケムトレイル職人の独白 | 1971年からの地図

1971年からの地図

見たもの聞いたもの感じたものについて、とりあえずざっくりと説明するブログです。守備範囲はやや広め。

ブログを始めて5年余り、今まで自分の職業について一度も語ったことはなかったけれど、新年度ということもあるので少しだけ身バレしてみたいと思う。

 

私の勤め先は大阪近郊のとある空港で、航空機に燃料を補給する企業に所属している。なので表向きには飛行機に燃料を補給するのがお仕事、ということにしているが実のところは「とある物質」を航空機に、それも極秘に積み込むことを生業としている。

 

そのとある物質の名は「ケムトレイル」という。ツイッターなどでたまに目にする名前だが、大体セットで追加されているコミュニティノートにはそんなものは実在しないものとされている。

 

しかし、ケムトレイルは実在する。実際にそれはあるのだ。

 


ケムトレイルは非常に扱いの難しい物質で、その効力を十分に発揮させるには熟練した技術が必要とされることからそれを扱うことのできる者は国内でもごく限られており、関係者の間では尊敬の意味を込め「職人」と呼ばれている。そして私もその数少ない職人のうちのひとりだ。

 

ケムトレイル職人の朝は早い。

 

非常に危険性が高い物質が故に不測の事態に備え、外部からの搬入作業は人の少ない深夜~早朝に行われるからだ。またその性質上極秘に行う必要もあるということは言うまでもない。

 

ケムトレイル運搬車は一見すると通常の航空燃料運搬車と見分けがつかない。それもそのはずケムトレイルは航空燃料と混合して使用されるからだ。自動車でいう燃料添加剤に近い使い方といえばそうかもしれない。毒物を空から散布するということで飛行機の農薬散布をイメージされる人も多いかもしれないが、残念ながら一般の航空機にはそういった予備タンクは装備されていないし後付けも不可能だ。なぜなら航空機には世界共通で厳しい基準と点検が義務つけられておりそういった違法改造的な装置を後付けすることが実質不可能だからだ。もっとも航空機というのはねじ一本まで合理性の塊で設計されており、そういう後付けオプション的な何やらが後から入り込む余地は全く無いということもある。

 

話が少しそれてしまったが、要はケムトレイルは航空燃料に混合させて使用しジェットエンジンで燃焼させた後に排出されて初めて効力を発揮するということになる。なので、飛行機雲を見てあれがケムトレイル、というのはあながち的外れではないのだ。つまりあの白い雲の中にケムトレイルは実在しているのだ。

 

こう説明してしまうと扱いが難しいっていってもただローリー車から給油するだけだろ?職人っていうほど?と思われることだろうが、そういう前に少し考えてみてほしい。

 

ケムトレイルは確かにジェットエンジンで燃焼させてから効力を発揮するのだが、飛行機のエンジンは地上での駐機中にも稼働しているわけでそんなときにケムトレイルが排出されたらどうなるか。私も含め空港関係者は皆大惨事となることだろう。私自身ある思惑を持って極秘に実施している作業とはいえその対象は自分自身ではないのだ。あくまで自分達は安全に事を進めなければならない、職人の数は少なく替えもほとんどいないのだから。

 


地上では安全だ、という理屈について少しだけ種明かしをするとジェットエンジンの燃焼温度は1600℃。そこから外気で冷やされる温度差でもってケムトレイルは猛毒の物質に変性するのだ。この時の温度差が肝の部分でざっくりというと気温が低ければ低いほど良く、気温が高いと逆に全く変性しない。つまり地上の温度では全く問題が無く、航空機が飛ぶ高度10000mの気温、ー45℃以下で初めて変性が始まる、ということになる。実はこの温度管理がとても難しく、当日の気温、航空機のコース、パイロットの癖を十分把握した上でケムトレイルを給油しないといけないわけで、そういったことを非常に高いレベルで行うことができる、というのが職人と呼ばれる所以でもあるのだ。

 

なのでとにかくケムトレイルは常に天上にある、飛行機雲とともに。

 

あとは地上に拡散されるのを放置しておくだけでミッションは完遂されるのだけれど、最後にそれが拡散されていく様子までをちょっと想像してほしい。

 

これがケムトレイルという正体不明のナニカではなく、うんこだったらどうなるかということに。

 

正体不明なるケムトレイルという物質なので、期待値高くどこまでも拡散していくイメージがあるかもしれないが、何せ高度10,000mからの高高度散布にどれだけの効果があるものやら。地上との直線距離10km。しかもそこはジェット気流という秒速80m以上の風速が常時流れている世界だ。

 

身近なモノに例えると新幹線の扉からうんこをばらまいたとして10km先までそのうんこどんだけ届くんですか、っていう話な訳ですよ。

 

ついでに言うと新大阪から東京までそれをばら撒き続けるとしてどんだけのうんこがいるのか、っていう話な訳ですよ。

 

なのでそんな物質が仮に実在しても飛行機で拡散するのは無意味だし、当然ケムトレイルなんてある訳もなし。

 

そんな訳で1行目からすべで全部嘘です。


と言っても今日は一応4月1日なのでそこは何とかご容赦いただきたい。