就職することで殺される才能 | DAF(ドランク・アカデミー・フェス)

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こんな時だからこそリアル&オフラインのイベントにこだわる主催者・西澤一浩★



3月の『DAF19』がDAF初登場になる
岩堀禎廣さん(アフロ先生)との6年前(!)に
収録した音声コンテンツの文字起こしを紹介します。

就職・転職などキャリアのことで
お悩みになっている方がいたら
「こんな考え方もあるんだ!」
という発見があると思います。

今日は前編をどうぞ。

 

西澤:
岩堀さんは仕事の守備範囲が広いんですよね。

薬学博士でありながら、
ご自身が経営なさってる会社では
普通に企業のコンサルティングなどもなさってますよね。


岩堀:
基本的に「選択と集中」という
ビジネスの基本を無視しています。

持ち込まれる相談が、
医療にたとえますと、
まるで病院やお医者さんのところを
あちこち回ったり、たらい回しにされても
なかなか治らなかったり
見放されてしまったような
患者さんのようなケースが多かったんです。

そこで、
条件で「選ぶ」ということはやめて、
お役に立ちたいと思えるような人であれば
基本的にどんな案件でも受けるという
スタンスでやってきました。

さすがに最近は
もう少し前向きな相談が増えて
「予防医療」的な案件も増えましたけども。


西澤:
いろいろなさっている中でも今回は、
「その人にとって適性なキャリア形成」
というものについて、
働き方や生き方という切り口でもって
うかがわせてください。

岩堀さんは、
就活中の学生さんから転職希望者、
さらには、ひきこもってしまった方のための
キャリアづくりなど、
求職者側の支援をなさってる一方で、

企業側すなわち雇う側の
採用プログラムなども開発なさってます。

雇う側・雇われる側の双方の内情を
ご存知なわけですが、
求職活動や採用活動がうまくいく要因や
うまくいかない原因を教えてください。


岩堀:
就活を例にとりますと、
企業が欲しい人材のストライクゾーンが
明確に決まっておりまして、
就活生はそこに当てはまれば採用されるし
当てはまらないと採用される確率が下がります。

そして採用のストライクゾーンは
どの企業も共通しているので、
内定を取れる人は何社も採用されて、
内定取れない人は何十社も不採用が続いています。

採用されるための「公式」が決まっているので
見合った人物になれていれば受かるし、
なれなければ受からないのが現状です。


西澤:
そんな状況下で巷の就活セミナーでは
エントリーの書き方なんかを教えているわけですか。


岩堀:
そういう意味でもいまの就活には
言いたいことは山ほどありますね。

まず求職者側。

いかにしてストライクゾーンに入るような自分を
一時的に作り上げるのかを
演技をしたり化粧をするかのように、
本来の自分ではない、
受かりやすい自分を組み立てるためのトレーニングを
ひたすらしているんです。

公式があるから
「受かる履歴書の書き方」というものも存在するんです。

企業側は、
いかにそれを見抜いて、
素の状態でストライクゾーンに入っている人たちを
きちんと選び出すのか。

間違った採用をすると3年以内に辞めますから。


西澤:
いわゆるミスマッチですか。


岩堀:
ミスマッチは採用時に
本当にストライクゾーンの人なのかどうかを
見抜けなかったということなんです。

私の採用支援の会社では、
1人あたり1時間以上面接するようにしています。
それくらいしないと見抜けないくらい
学生の「作り具合」は巧妙になってきています。


西澤:
食品の産地偽装のような(笑)
偽装して入った人が
人事で偽装を見抜こうとする側になったりして。


岩堀:
世間ではいまだに理想的なキャリア像として
昭和の価値観はまだ残っています。

偏差値の高い大学に入る、有名な企業に入る、
そうすると幸せになれる、
という価値観はまだまだ残っています。

現実にはもう崩れている
キャリアプランであるにもかかわらず、
価値観だけはまだ残っていて、
それを押し付けられて、
いまだにその価値観がストライクゾーンで、
そこに合うような人間になりたいと思っている人たちが
増えてしまっています。

「仕事用」の自分を作り上げるのは、
人生そのものを偽装して過ごしているようなものです。

本来自分が生まれ持った
役割とか宿命とか自分らしさではなく、

会社のため家庭のため国のためにと
自分を犠牲にしてきたという意味で
偽装した人生といえると思うんです。

その価値観で幸せになれたのは
昭和までだと思います。

働いている人の中には、
体や心に変調をきたして
鬱になったり自ら命を絶ったりという人が
たくさんいらっしゃいますけど、
それ以前に就活の段階でそうなってしまう人も
結構いるんです。


西澤:
痛ましいですね…
就活がうまくいかない学生さんが、
「100社目もダメだった、人生終った」
みたいな気持ちで電車に飛び込んでしまう感じですか。


岩堀:
そもそもその働き方自体が
昭和の価値観を押し付けられているだけなので
いかに就活で内定が取れなかろうと
まったくもって命を絶つ必要はありません。

内定が取れないことはダメなことではなくて、
「普通」の働き方とされるものが
自分にとってふさわしくないだけで、

自分がこの世におけるかけがえのない
特別な存在であるということを
どんどん証明しているだけかもしれないんです。

そういう特別な人間には
「普通」の仕事が用意されていないという
だけのことなんです。

そこを自覚できれば、落ち込んだり鬱になったり、
ましてや死ぬ必要はまったくないんです。

もちろんネガティブな気持ちになるのも
わかります。
でもそれは親や教師から押し付けられた
昭和の価値観によるものですから。

今はその価値観は全く必要ないということは
最初に言っておきたいですね。


西澤:
むしろ1社落ちるごとに
「普通」とは違うどこかに近づいているんですね。


岩堀:
自分は就職向きなのではなく、
オンリーワンである自分のことを待っている仕事があって、
どんどんその幸せや成功に近づいている
プロセスなんだと考えられればOKです。

就職イコール幸せという価値観ではなくなってますので、
いかに自分の人生を幸せに生きるのかということです。

そのために仕事は必要です。
ただ、先ほどの偽装という話で言うならば
自分を偽って就職しても
幸せにはなりにくいということですね。

今までは親が喜ぶ自分、先生が喜ぶ自分、
というようなものを作っていくプロセスが必要で、
それでうまくいく人もいるだろうし、
幸せを感じる人もいるかもしれません。

でも、それが辛いという人もたくさんいます。
そういう人は今の仕事を辞めて
より自分らしく生きるという選択肢があります。

偽装しているような人生は止めて
本当の自分の人生を生きるために
もっと時間や労力を使った方がいいと思います。

自分ではない他の何者かを目指すのではなく、
よりグレードアップした
スペシャルなあなたになりましょうと言いたいです。


西澤:
仕事は必要だけども
就職は絶対に必要というわけでもなさそうですね。


岩堀:
就職に関しては
向いているタイプと向いていないタイプがいいます。

就職が今の時代に合っていないということではなく
就職が向いている人は就職したほうがいいですし、
でも、
就職が向いていないタイプの人は
無理に就職しなくていいと思います。

無理に就職してもつらい人生が待っていると思うので、
もうちょっと別の生き方があると思います。

就職で悩む人はそのタイプですね。

作ることや演じることが楽しい人は
会社の中でデキるサラリーマンを演じていれば
幸せなわけですから、まったく問題ないと思います。
会社から求められる役割を
演じることができるタイプですね。


西澤:
演じきれない人は働きにくいですね。

岩堀:
逆にそれが辛いというタイプの方は、
できるだけ「自分自身になる」方向性を
選んだ方がいいですね。

そのタイプは少数派かもしれないけど
確実に存在します。

ピラミッドのグラフで考えると
最下層のちょっと難しいタイプがいて、
真ん中に普通な大多数タイプがいて、
上に優秀なタイプがいますけど、

その人たちとは違う縦軸に存在する
アブノーマルタイプ、普通じゃない特殊能力者です。

岩堀:
このタイプは、偏屈な人間だとイメージれがちですが
意外とコミュニケーション能力は高くて
「普通」の層に紛れ込んでいるんですよ。

「普通」になりたいと努力し続けているんですけど
やはり普通ではないんですよ。


西澤:
コミュニケーション能力は高いんですか?
「会社が合わない」人は
コミュニケーションで悩む場合が
ほとんどかと思いますが。


岩堀:
就活で鬱になるタイプの人は
コミュニケーション能力は高くて
「普通化」することができる人が多いんです。

特別なタイプなのに普通化するから
ストレスがたまって辛くなってしまうんです。

見分け方は簡単で、
今はグループカルチャーだから
大抵の人たちは何かしら集団に属して
過ごしているんですけど
その集団に属するために
すごく気を遣っている人というのは
既に「特別」なんですね。

集団に属して周りとうまくやっていくために
自分を調節したりバランスを取ったり
「この集団の中では私はこの立ち位置だ」と
ポジションを意識して過ごしたり、
そういう考え方をしていること自体が
レア度の証明です。


西澤:
それはいわゆる「空気を読む」こととも違うんですか?


岩堀:
それとは違います。

その文脈でも語ることはできて、
空気を読むタイプも多いんですけど、
そもそも「普通」の人であれば
空気なんか読まなくてもやっていけるんです。
周囲と波長が合いますから。

集団の中で生きていくために
浮かなかったり外れないための
努力が必要ないタイプが実は大多数なんです。

普通の人はそこは努力はしてないですよ。
集団でいると疲れるタイプというのは
その努力に結構なパワーを使っているんです。

パソコンにたとえる
と相当重いアプリが常に立ち上がっていて
残りの能力で仕事をしている状態です。


西澤:
それだとパフォーマンスは発揮できませんね。


岩堀:
そうなんです。
そのタイプがさきほど挙げた
特殊能力者、特別タイプなんです。

その人たちは普通化する努力よりも、
もっとレア化する努力、
他人と違っている部分に目を向けて
オンリーワン度を高めて、
自分にしかできない仕事を
作ったり見つけたりして生きていくことを
お勧めするタイプです。

就職ありきで考えるから
就職するために普通の人でなければいけない、
足りない能力があればその能力をつけるという
ロジックになっているんですけれども、

極論すれば、特殊能力の人たちは、
普通の人ができることなんか
できなくてもいいんです。

それができなくても、
他の人にはできない、
自分しかできないことがあるから特殊なのであって。

わざわざ弱点を克服しなくてもいいとさえ思います。

大企業はそもそも替えが利く人材でないと
困るわけです。
その人がいなくなることで
会社が回らないようなことがあっては困りますから。

そのために仕事の内容は一般化すなわち
「誰にでもできる化」されているわけです。

すると「あなたじゃなくてもいい度」が高まって、
それでも長く働けば経験値は積みあがるので
長く働いている人間の方が偉いというロジックになります。

世の中の大多数の人はそのシステムに当てはまります。


西澤:
そういう誰でもいいよ的な仕事が
たくさんある会社を志望するにあたっても
エントリーシートでは
自分はとても個性的です、
学生の時にサークルや部活でこんな実績があります、
ボランティアやりました、海外を旅しました、
こんな資格を持っています、
というような自己アピールをしますよね。

めちゃめちゃ矛盾してませんか?


岩堀:
矛盾してますね。

その基準で才能ある人材を採用したとして、
だいたい才能がある人間というのは
才能がある上司じゃないと使いきれません。

すると、上司と部下で衝突して、
あいつは生意気だとかいうことになるんです。


西澤:
才能の飼い殺しが起きますね。


岩堀:
そもそも就職ありきという考え方を
やめればいいんですよね。

昭和とかバブル期の価値観で育ってきた
親や教師や上司、
世間の風潮やマスコミによるものですから。

偏差値が高い大学に入ると
一流企業に入れるから幸せになれますよ、
というロジックが成り立っているうえでの話です。

そういう教育を受けてきているから
そう思ってしまうかもしれませんけど、

現在は就職をしたからといって
幸せになれるとは限らなくてヘタに就職すると
それが不幸になったり
命を奪う結果にもなってしまいます。

だから必ずしも就職ありきではないことが前提で、
むしろ就職が最終手段かもしれません。


西澤:
最終手段!
社会への入口のようで最終手段?


岩堀:
そうなんです。

たとえば介護分野は
職種を選ばなければ必ず就職できます。


西澤:
慢性的に人手不足ですしねえ。


岩堀:
就職できない人の理由として
「選んでしまっている」ことも
あるんでしょうけれども、

せっかく仕事を選ぶのであれば
就職一択ではなく、
起業するなり、インターンをするなり、
バイトするなり、NPOを立ち上げるなり、
いろんな選択肢があるはずなんですね。

全部やってみたけど
うまくいかなかったから就職しよう、
という考え方もありだと思います。


西澤:
起業は難易度が高いイメージがありますよね。


岩堀:
実は就職するより起業する方が100万倍簡単です。

昔は資本金1000万円必要でしたけど、
今は資本金1円で誰でも社長になれますから。

誰でも代表になって事業を起こせます。
個人事業主というやり方もありますし。

そうやって作った会社は3年で9割潰れると
言われますけれども、

人によっては就職して
3年間メンタルもやられずに健康に過ごすよりも
起業して3年続ける方が全然楽だったりします。


西澤:
そこは適性によりますね。


岩堀:
そうです。
想像以上に就職よりも起業の方が適性がある人は
多いと思います。

自分が日々頑張れる仕事に熱中して3年間過ごすのと、
ストレスが溜まる仕事や行きたくない会社で
3年間過ごすのとでは、
たとえ結果がうまくいかなかったとしても
得られる経験値が全然違いますよね。

お金を稼ぐことはもちろん大事ですけど、
なによりも健康ですから。

仕事をして病んだり不健康になるって
どういうことなんだっていう話です。

私たちは人生を豊かにするために
仕事をしているので、もし仕事によって
人生がうまくいかなくなってしまうとしたら
それは問題です。

ただ、それは働き方の問題であって、
仕事自体は人間の命や健康にとっては
とても必要です。

就職しなくてよいという話をすると、
じゃあ僕就職向いてないから
働かなくていいやとか、
宝くじ当たってお金が入れば
働かなくていいやとか言い出す人がいるんですが、

仕事は命の次くらいに大切な可能性があります。


西澤:
仕事が命の次に大切かもしれない理由を
教えてください。


岩堀:
そういったことを考えるようになった背景があります。

国内の介護施設を1000件くらい訪問したのですが、
そこに入っていらっしゃる方は
60代後半くらいからなんですね。

でも、世間には片や60代後半でも
定年間際とはいえサラリーマンとして
バリバリ働いている方もいらっしゃいます。


西澤:
同じ年代でも過ごし方が異なるんですね。


岩堀:
70代でも定年後とはいえ趣味ややりたいことがあって
いきいきしている人たちがいる一方で、
ごろごろしているだけの人や施設に入る人もいます。

そういった方々の何が違うかというと
「現役感」なんですよ。

まだ現役なのか、リタイアした状態なのか。

一般にはリタイアした瞬間から体も病んでいきがちです。

仕事は必ずしもお金を稼ぐだけが目的ではなく、
手っ取り早く現役でいるための手段でもあるんです。

自営業の方や、農家で畑仕事なさってる方と、
老人ホームに入っている人とでは、
同じ年齢でも健康状態とかまったく違いますから。

最後まで働く義務はありませんが、
「現役」でいられる手段として
仕事はものすごく有効ですね。


西澤:
たとえばシルバー人材あたりに登録してでも
何か仕事はやっていたほうがいいわけですね。


岩堀:
心と体の健康を保つためには
絶対やってたほうがいいです。

健康じゃなくてもいいから
仕事はいらないという人も
いらっしゃると思いますけど、

私は医療者ですから
健康度合いは高まった方がいいと思っています。

なので、
健康になると人生は幸せに暮らせるという
前提でお話しをしてますけど、

心と体の健康を保つには
現役であることが必須です。

そして仕事は現役感を持たせてくれる
手段のひとつなんです。


西澤:
まさに
「元気があればなんでもできる!」
ですね。


岩堀:
もし今その職場が合わないのであれば
転職でも起業でも
どんどんチャレンジを繰り返せばよくて、
その職場で働き続ける必要はありません。

もし自分に合う場所がなかったら
自分で作ればいいですし、
うまくいかなかったらまた就職すればいいし。

今の仕事が嫌で
本当は辞めたいんですけどねえと
よく相談されるのですが、

じゃあ辞めたらいいじゃないですかと言うと
家族がいるから辞められませんとか、
子どもが受験なのでとかおっしゃるんです。

それについては自分以外のことを
言い訳にするなと言いたいです。


西澤:
その理由で転職しない人は多そうですね。


岩堀:
自分の稼ぐ能力や努力が足りないことを
会社のせいにしているだけです。

稼ぐことと、
自分のやりたいこと、やれること、
そして社会に求められていることの
接点を探して、

きちんと自分の立ち位置を見つける必要があって、
どうしても見つからないような場合は
就職すればいいと思ってます。

 


後編に続きます(文字起こし数日待って…)


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鍵麻由(4回連続4度目)
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篠原明夫(2回連続2度目)
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2020年日程

■『DAF19』 3月15日(日) 
5周年記念

■『DAF20』 6月14日(日)
※日程が変わりました
20回記念

■『DAF21』 9月5日(土)
夏のツアー千秋楽

■『DAF22』 12月5日(土)
クリスマス&忘年会

 

 

 

 

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