動画サイトにて、このようなニュース報道を拝見した。

傍受したアマチュア無線家はお手柄だった。そして遭難者は・・・

 

どうも今回の遭難者はアマチュア無線家であり、高い山の山頂から電波を飛ばして遠くのアマチュア無線家と交信したかったようだ。それが

[ 携帯電話を落としてしまったので、その携帯電話を発見できるように私の携帯電話へ電話して呼び出しベルを鳴らしてほしい ]

というのが遭難通信とされる交信のもともとの目的だったように報じている。

 

[ その携帯電話を探すうちに登山道を外れて遭難したのか、それとも単に道に迷ったのか、あるいは(地域的・時期的な事情を察すると)生えているネマガリダケを見つけて採っているうちに道が判らなくなったのか ]

どうもこのあたりが遭難の原因なのであろう。

 

アマチュア無線による遭難通信?(携帯電話へのダイヤル要請)を傍受して、遭難した人の救助要請をしたアマチュア無線家は大変なお手柄だった。小学生に至るまで携帯電話が普及した現代ではなかなかアマチュア無線が社会貢献できる場面は少なく、大きな災害が発生した直後の数日間だけくらいはアマチュア無線も役に立つがそれ以外にはなかなか活躍の場がない。

 

その昔、携帯電話のように使用していたアマチュア無線は現在ではスマートホン(携帯電話)にとって代わられ、まさに [ 絶滅危惧種 ] となっている。それゆえに [ アマチュア無線 ] というものの存在を知らない人がほとんどであろう。もっとも私も先輩らがアマチュア無線を携帯電話のようにして使用している姿を見て、この時に初めてアマチュア無線というものの存在を知り、無線機の使用方法を知ったのであった。幼少期に子供用のおもちゃの無線機を使用した経験はあるが、その時にはまだ使用経験が皆無だったことからハッキリ言ってうまく使用できなかった。

 

遭難者の危機を傍受して救助要請したアマチュア無線家の無線設備は立派で、無線室は整理されていて素晴らしい。ご自宅に建てられているアンテナもご立派でなかなかのものだ。私などは自動車にアンテナを1本あるいは2本出し、自宅には自動車用アンテナ( モービルアンテナ・145/430MHz帯 )1本を2階のベランダに立て、まったく使用していない7MHz帯のツェップアンテナ1本を張っているだけである。

 

アマチュア無線は現在では本当に絶滅危惧種状態であり、私自身も自動車にアマチュア無線機を車載しているが、基本的には使用していない。蜜蜂の蜂友の中に何人かアマチュア無線家が存在するが、ハッキリ言って彼らと無線交信したことは一度も無い。連絡を取る方法は常にスマートホン(携帯電話)だ。それでもどうかすると山岳遭難した人が救助要請などの遭難通信をする人がいるので、携帯電話の基地局へアクセスができない携帯電使用不能地帯における遭難ではアマチュア無線通信の価値が高まる。

 

たとえばボーイスカウトやガールスカウトと呼ばれる団体では、現在でも比較的熱心にアマチュア無線の資格取得と運用について指導されているようで、万が一の大災害が発生した場合には大変に大きな力になると私は考えている。だが、やはり現在の世の中では、[ 国家試験を受けてアマチュア無線免許(無線従事者免許)を発行する必要があって、無線局免許状というものも発行していただいてからでなければアマチュア無線家として交信できない(ゲストオペを除く) ] というアマチュア無線では、煩わしくて国家試験を受けてまで無線の運用をしようと考える人はほとんどいない。ならば [ 既に持っているスマートホン(携帯電話)で充分である ] と考えるのが当然であろう。

 

仮に [ 私がアマチュア無線従事者免許を取得した当時に現在のように携帯電話が一般化していたならば、私は国家試験を受けてまでアマチュア無線従事者免許を取得しなかった ] と思う。

・・・とは言うものの、自動車にはアマチュア無線機を車載しておきたいし場合によっては便利な時があるので、現在でも私の自動車にはアマチュア無線機が車載されている。