先日の大雨直前に入居し、その夜のうちに高原にある蜂場へ入居した蜂群を移動した。結果として大雨にならなかった翌朝、再び金稜辺と待ち箱を設置しておいた。それから4日後にあたる本日夕暮れ、見回りに行くと日本蜜蜂が入居していた。蓋裏には写真のように大きな蜂群がおり、時期的に旧女王による分蜂は終了しているはずなので、大きな蜂群ながらも未交尾新女王が率いている蜂群なのであろう。営巣が落ち着いた後日に内検して、女王の新旧を確認する。もし旧女王であったならば、まだ続けて2回ほどは分蜂群を狙えることになる上、2ヶ月後には写真の蜂群を人工分蜂によって4分割できる。

 

こちらは先日に、高原蜂場にて自身の日本蜜蜂(友人の蜂場に居候)を内検中に友人の蜂群から分蜂し、木の幹に蜂球になったところを撮影したもの。3群の日本蜜蜂を内検しつつ、同時進行で新春までに全滅した日本蜜蜂から引き抜いて来た貯蜜巣枠(貯蜜巣盤)を1枚ずつ給餌として挿入した。

 

この作業が終わる頃には友人の巣箱から出た分蜂群の乱舞は終わって木の幹に蜂球になって落ち着いたので、ここで捕獲となった。少々高所の木の幹に蜂球になった事から、友人がこの蜂球の所有を放棄して私に譲ってくれたので、隣の畑の別の友人の作業小屋から長い棒を持ってきて、自然観察のために私が常時携帯している折り畳み捕虫網を取り付けて蜂球をすくい上げた。

 

ところがこの蜂球内には幹から出た小枝があり邪魔をするため蜂球をうまくすくえず、何度かチャレンジしたがうまくゆかなかった。仕方が無いので強く刺激して蜂球をいったん飛翔させると、希望通りに 3mほど横にある小枝が出ていない理想的な細い幹へ蜂球になった。やがて写真と同じように蜂球がすくいやすく垂れてきたので、ここで静かにすくい取って巣箱へ入れ捕獲を完了した。

 

・・・しかしながら随分と刺激してしまった捕獲となったため、一部の働き蜂は元の巣箱(母巣)へ出戻り、わずかに分蜂群の蜂量が減少、女王を含むこの蜂群は強刺激捕獲となったことで後日に逃去する可能性がある。しかも友人の話だと [ 旧女王を人工分蜂して取り出した後の蜂群からの分蜂だから、この蜂群率いる女王は未交尾新女王 ] だという。

 

今年の分蜂期は分蜂群の出現が多くてにぎやかだが、何かと不都合な事情が多くて悩みは尽きない。金稜辺も花期が終了を迎え始めており、本日夕刻に待ち箱3ヵ所を回収して片付けた。残る2ヵ所は条件の良い場所なので、この先1週間ほどは金稜辺と待ち箱を設置し、10日後にはすべてを撤去し片付けて、本年の春の分蜂群捕獲を終了する予定でいる。なお、夏分蜂期には待ち箱を設置しない。夏分蜂期は気温が高くて逃去が発生しやすいという事情もあるが、夏分蜂期~秋分蜂期くらいは野生群として日本蜜蜂に自由に分蜂させ樹洞等へ入居させてあげたい。

 

既に5群の日本蜜蜂が手許にあり、前記の高刺激捕獲になった 1蜂群が逃去したとしても4群が手元に残る事になる。これだけの蜂群数があれば人工分蜂によってある程度自由に増群・造群できる。今後は

[ 日本蜜蜂の生息環境に負荷を与えない日本蜜蜂の捕獲形態と飼育形態 ]

というものが、これからの日本蜜蜂養蜂家が目指す日本蜜蜂養蜂の在り方であると私は考えている。

 

カブトムシやクワガタ、トンボやチョウとは異なり、日本蜜蜂は女王蜂を中心とした [ 1集団(1蜂群)] として生活しているため、その蜂群数は前記の昆虫個体数と比べると比較にならないほど少ない。よって、日本蜜蜂養蜂ブームによって大幅に増加した [ 日本蜜蜂養蜂家によりあちこちに待ち箱を設置して金稜辺等によって誘引 ] されてしまうと、[ 日本蜜蜂は待ち箱で簡単に捕獲できてしまう事からその影響は意外なほど大きなもの ] になってくる。西洋蜜蜂養蜂家がこれまでの養蜂形態に変更が必要になってきた事と同様に、日本蜜蜂養蜂家も今までとは異なる養蜂形態に移行する必要が出てきている。