養蜂界では既に知られていて私が知らなかっただけなのかもしれないが、

[ 「旧女王蜂」によるクイーンパイピング(トゥーティング)は普通におこなわれている ]

事を知った。

 

分蜂行動に前後して耳にする

[ ピィーーーーピィピィピィピィピィピィ、 ピィーーーーピィピィピィピィピィピィ ]

と女王蜂が鳴いているそれである。通常は王台から羽化出房したばかりの [ 未交尾新女王 ] がこのように鳴きながら(以下「王鳴き」と略す)巣盤上を歩いている。養蜂開始時からこの現象を

[ 分蜂行動が起きる前におこなう行動で、王鳴きによって働き蜂たちの分蜂行動が誘発される ]

と私は考えていた。一方では某教授からは [ 未交尾女王蜂の自己主張 ] であるともお聞きしている。

 

実際の話、王鳴きしている未交尾女王が巣内を闊歩している場合、

 ① その巣内には今すぐに羽化出房しようとする王台が存在している

 ② 同じ巣内に、ほかにも羽化出房した未交尾女王が存在する

という状態にある。よってそのまま放置すると、私の経験では必ず分蜂行動が発生する。よって王台除去や他に出房している未交尾女王を除去したり、人工分蜂するなどして未交尾女王を蜂群内に1匹だけにすると分蜂行動は発生せず、翌日までには王鳴きが停止する。

 

それゆえに [ 王鳴き( クイーンパイピング(トゥーティング) )は分蜂行動を誘発させるための行動 ] と私は理解してきた。この行動は西洋蜜蜂と日本蜜蜂に共通である。ただし、抑揚・断続がある西洋蜜蜂の王鳴きとは異なり [ 日本蜜蜂未交尾女王の王鳴き(トゥーティング)は、抑揚が無く 7秒間ほどの連続音 ] で、これを繰り返している。

 

ところがこのところおかしな事象が続く。一般的には

[ 旧女王蜂(前年誕生の女王)による王鳴き(トゥーティング)は目撃されることが無い ]

ようだが、私のところでは3年ほど前の目撃に続き、今年も旧女王蜂(前年誕生の女王)の王鳴き(トゥーティング)を目撃し動画撮影できた。どうも [ 条件が揃う事で旧女王蜂がごく普通に王鳴き(トゥーティング)をする ] ようだ。それゆえに

[ ある程度 意図的に旧女王に王鳴き(トゥーティング)行動させることが可能 ] 

なようだ。

 

それが上に掲載した写真である。旧女王蜂が王鳴き(トゥーティング)しながら巣盤上を歩き回っているところを動画撮影したもの。この写真のタイミングにおいては、一旦鳴き止み、身づくろいをしているところ。この後、再び王鳴きしながら歩き始めた。ちなみに王鳴き毎に歩行を止めて鳴いている

 

そしてこの [ 旧女王の王鳴き(トゥーティング)] から私は [ 女王蜂の自己主張 ] を読み取れた。詳細はまだ調査・考察中で、旧女王の王鳴きについて今後も私が興味を持っている場合にはブログ掲載してゆきます。