[ 金稜辺の植え替え時期は? その管理方法は? ]

早速に、このような質問が来ている。

 

金稜辺の植え替えについて、厳密にいうならば何時おこなってもよい。ただし、根腐れがひどい株を晩秋に植え替えた場合には、新根が伸び始める春まで [ 根が無い状態 ] でいなければならず、霧吹きで丁寧に葉から吸水させれば問題ないが、結構枯れてしまう事が多い。また、ここは蜜蜂ネタのブログのため閲覧者の多くが養蜂家なので、金稜辺の使用目的が日本蜜蜂の誘引である。よって花芽ができている時期や開花期には植え替えや株分けはしたくない。

 

このようにして色々と考えると、植え替え・株分けは [ 花期直後 ] におこなう事である。この時期ならば、その後に盛んに発根をするし、存在していた根を傷めることが無ければその年の秋までには花芽が着いて翌年開花してくれる。ただ、基本的には植え替え・株分けした翌年の開花は期待しない事。なので毎年、保有する金稜辺鉢数の [ 30~50% ] を植え替え・株分けし、残りを翌年に植え替えをすることで、翌年も立派に開花している金稜辺株を得られる。全所有鉢を植え替えてしまうと、その年に花芽が着かず翌年の開花株が無くなってしまう事が起きる場合があるからだ。

 

金稜辺は [ 水分や肥料分の少ない場所に適応 ] した植物なので、野菜のようにどんどんと肥料をやる事で大きく育てられる植物ではない。灌水頻度や施肥量、液肥濃度に気を付け 、本来の生息環境を模倣する形で管理すると雑草のように丈夫で元気に育ってくれる。その上で、わずかに肥培できるように努力していただくと、根腐れや軟腐病、生理障害などの問題が起きてこない。なお、日照については、100%の直射日光では葉焼け(日光による火傷)をしてしまうので、遮光率40~50%ほどの寒冷紗で直射日光を減光する事。

 

フウランやセッコク、洋蘭シンビジウムなどと同様に金稜辺もどんどんと増える蘭種なので、増え過ぎる金稜辺を株分けして蜂友にお配りすると喜ばれる。そのまま大切に金稜辺を保持していると、わずか数年で金稜辺だらけになってしまうので、手元に残す株はほどほどにして、増えた分は蜂友に差し上げる事をお勧めする。