肺炎球菌ワクチンは23価ワクチンの「ニューモバックス」が定期接種で使用されています。65歳以上になると役所から定期接種のお知らせが届くと思います。それ以外に異なる血清型の13価ワクチンとして「プレベナー」があります。プレベナーは2014年から65歳以上の高齢者に適応となりましたが定期接種ではありません。任意接種です。「ニューモバックス」はテレビCMされていましたが「プレベナー」はされていないと思います。その為、そのようなワクチンの存在を知らない方が多いと思います。13価と23価とは同じ肺炎球菌でも異なる血清型の菌を予防します。一般的には「プレベナー」と「ニューモバックス」の両方を接種することが推奨されています。

 

2023年4月から15価の肺炎球菌ワクチンとして「バクニュバンス」が発売されました。このワクチンはどういう位置付けのワクチンなのでしょうか。

 

15価の「バクニュバンス」は13価の「プレベナー」に2つの血清型が追加されているワクチンです。また免疫原性も「プレベナー」と同等と考えられています。そのため「プレベナー」に代わる位置付けのワクチンと考えられています。

 

つまり65歳以上の高齢者は「ニューモバックス」「プレベナー」「バクニュバンス」の3つのワクチンを接種するのではなく「ニューモバックス」と「バクニュバンス」の接種が推奨されるということです。米国のCDC(center for disease control)は2022年1月に65歳以上の成人に「バクニュバンス」→「ニューモバックス」の連続接種を推奨しました。接種間隔は1年以上あけるとのことです。

 

先に「ニューモバックス」を接種した場合も1年以上の間隔をあけて「バクニュバンス」の接種が可能です。

 

日本感染症学会のホームページに高齢者肺炎球菌ワクチンの考え方が掲載されています。

https://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=51#03