世間ではカスタマー・ハラスメントという言葉が飛び交っています。コンビニ店員に土下座させて動画を撮影するなどはこれにあたると思います。

 

日本人には、お金を払う立場の方が偉い「お客様は神様です」という精神が根付いているのかもしれませんがその精神がカスタマー・ハラスメントを生み出しているのだと思います。

日本人の「おもてなし」の心に便乗した悪い側面なのでしょう。

 

病院の世界では「モンスター・ペインシエント」という言葉があります。無理な要求をする患者さんのことです。昨日の会議で「正式なクレーム」とどのように区別するのかが話題になりました。暴力・暴言は正式なクレームの範囲を逸脱していますが、その際には病院職員の対応に非がないようにしなくてはいけません。

 

明らかに患者さんに非があるときは受診を拒否する必要があります。医師法には応召義務というものがあり「理由がない場合は患者さんの診察要求を拒否してはいけない」とあります。しかし時間外や無理な要求は拒否理由になります。応召義務にたいしては罰則規定がありません。

 

個別の事案にたいし、誠実に対応するというのは当然です。しかし誠実に対応しても無理な要求をされる場合は診療を拒否することになります。以前勤務していた病院では、他の患者さんの迷惑になった時に事務方と協議をして診療拒否をしたことがあります。

 

JRでも「カスタマー・ハラスメントには対応しない」と対応を決めたそうです。無理な要求には毅然とした対応が必要ですね。