教育虐待の末、医学部に9浪し、母親を殺害した事件がありました。母親は自分の学歴へのコンプレックスから娘に教育虐待を行っていました。自分の学歴へのコンプレックスから子供に期待するのはよくある話だと思います。しかし、勉強したくない子供を塾に通わせても勉強するはずがありません。子供時代から勉強がよくできた場合なら別ですが、自分の経験から本気で勉強を開始にするには精神的成長が必要だったと思います。自分の内なる欲求として勉強をしたいと欲したときに成績は驚くほど上がります。

 

ではその精神的成長はどの様にして得られるのか? 答えは社会とのかかわりを持つことなのだと思います。学生のうちは世界が狭すぎます。私はいろいろな人の経験に興味を持ち、話をきき、社会の仕組みや理不尽さを知ることで「知」への欲求が生まれました。自分の知識の無さを恥ずかしく感じた時に内なる欲求として学びたいと感じるようになりました。芸能人でも高校や大学に再入学する人がいるのはそういう理由からだと思います。現状に満足してしまっている人は内なる欲求が生まれません。内なる欲求が生まれなければ諦めたほうが良いと思います。

 

その内なる欲求が出てくる時期は人によって異なると思います。18歳で感じる人もいれば30歳で感じる人もいると思います。そしてその欲求を感じた時に学ぶことができる環境があるかどうかも重要です。30歳で内なる欲求として学びたいと感じても、結婚して子供がいる状況では難しいかもしれません。

 

医学部での6年間の学習量を知ったとき、元々の勉強の素養がある人かどうしてもその職業に就きたいという内なる動機付けが無ければ耐えられないかもしれません。入学試験を突破しても、留年するとおもいます。国家試験に合格できないかもしれません。12年間大学に通い、放校となった学生がいました。かけたお金と時間がその後の人生に役立てられればよいのですが。

 

子供は親の言う通りにはなりません。適正は人それぞれです。医学部に限りませんが適正のない子供に親の期待を押し付けるのは子供の人生を台無しにしかねないと思います。