予防接種は予防接種法で規定されています。①定期接種と②任意接種があります。

「定期接種」は市町村が主体となって行う予防接種です。費用は(全部または一部)公費で賄われます。

「任意接種」は希望する人が各自で受ける予防接種です。費用は基本的に自費です。

 

「定期接種」にはA類とB類があり、A類の予防接種は「社会を守る」に重点が置かれています。B類のワクチンは「個人を守る」に重点が置かれています。

 

厚生労働省のホームページにはA類のワクチンは「誰もが受けるべき」と記載されています。その目的は「日本の国の中で疾患を流行させない」観点から考えられています。

 

A類のワクチンには下記があります。

①    ジフテリア ②破傷風 ③百日咳 ④ポリオ→4種混合ワクチン

⑤B型肝炎 ⑥Hibワクチン ⑦小児肺炎球菌 ⑧結核

⑨麻疹 ⑩風疹→MRワクチン

⑪水痘 ⑫日本脳炎 ⑬ロタウイルス

 

B類のワクチンは個人の発病や重症化の予防に重点が置かれています。

下記が含まれます。

①    季節性インフルエンザ ②高齢者肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)

(65歳以上や免疫不全の背景がある方が対象)

 

コロナワクチンも予防接種法の特例臨時接種から定期接種B類に変更となりました。一部負担が必要です。

 

定期接種に含まれないワクチンは任意接種です。下記があります。

① 流行性耳下腺炎 ②季節性インフルエンザ ③A型肝炎 ④髄膜炎菌ワクチン ⑤肺炎球菌のプレベナーワクチン ⑥高齢者の帯状疱疹ワクチン

 

国のワクチンに対する考え方は「個人を守る」という観点と「社会を守る」という観点から考えられています。この関係が利益相反になることも当然想定していると思います。個人に対するワクチンの有害性よりも社会全体の利益が上回るならワクチン接種を推奨することとなります。「スペイン風邪」では全世界で5000万人-1億人が亡くなりました。人類史上最悪のパンデミックです。国はコロナウイルスにこのような最悪の状態を想定していたのかもしれません。

 

コロナワクチンで副作用が出ることはある程度想定していたと思います。異物を注射するのです。100%安全なワクチンなどありません。それでも社会全体を守れるなら仕方がないのかもしれません。

 

コロナワクチンが有害というならば、分子生物学的視点ではなく、個人の視点でもなく社会全体の視点で有害であることが証明されなくてはいけません。(ワクチン接種群で非接種群より死亡率が高い、重症化率が高いなどの証明が必要ということです)

 

「ワクチン接種による〇〇タンパクが免疫を・・・」などという視点は分子生物学的な視点です。社会全体による臨床研究で有害であることが証明されているわけではありません。基礎研究者が臨床研究を行わずにワクチン=有害と決めつけることに違和感を感じます。

基礎研究と臨床研究の違いを理解する必要があります。